企業における見えない気候リスク 前編
~「無自覚な適応」に潜む構造的課題~
次稿では、無自覚な適応が失敗につながるリスク構造と、その回避の方向性を検討する。
1.適応に関する現状と問題意識
(1)経営課題としての気候変動適応
増加する猛暑への「適応」として、工場の操業条件を見直し、調達先を分散し、人員配置を調整する──こうした対応は、それぞれを見れば合理的である。しかし、それらが部門ごとに個別に積み上がるだけでは、企業全体としての気候耐性が高まるとは限らない。
もはや、企業が直面する気候リスクは「例外的な災害への備え」として片付けられなくなりつつある。猛暑、豪雨、洪水、渇水といった極端現象は、個別の被害をもたらすだけでなく、労働環境、調達、生産、物流など、企業活動の幅広い領域に影響を及ぼしている。
重要なのは、こうした気候変動の影響が、経営判断に織り込むべき基礎的な制約条件へと変わりつつある点である。従来、気候リスクは災害時に顕在化する一過性のリスクとして扱われてきた。しかし現在では、立地、設備投資、サプライチェーン構築、人員配置、在庫水準といった日常的な意思決定において、あらかじめ考慮すべき要因となっている。すなわち、気候リスクへの対応は、災害対応の延長で扱うべき問題ではなく、企業の事業モデルの持続可能性を左右する経営課題へと変わりつつある。
持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)は、2025年のレポート『Getting Ahead of Physical Risk』において、猛暑、豪雨、洪水、渇水などに伴う物理的リスクを「もはや未来の課題ではなく、企業価値そのものに関わる、今そこにある経営テーマ」と位置付けている1。
しかも、気候変動下で企業が向き合うのは単一の災害リスクにとどまらない。異なる地域で異常気象が同時に発生すれば、複数の調達先が影響を受け、調達先の切り換えを前提とした対応が成り立たなくなるおそれがある。たとえば、海外サプライヤーで発生した干ばつに伴う水資源制約と、国内の猛暑による電力制約が重なれば、調達と生産の両面から事業活動が制約されることもあり得る。個別には管理されているはずのリスクが、実際には複合的に重なり、連鎖的に波及することで、企業全体に深刻な影響を及ぼす局面が増えていく可能性がある。
このため従来のように、事業拠点ごと、個々の災害ごと、部門ごとに対応を積み上げるだけでは、全体として十分な備えにならないおそれがある。リスクの複合化が進み、影響の構造が複雑になるほど、企業には、全体最適という視点に立った対応が求められる。
加えて、気候変動の進行とそれを取り巻く国際情勢を踏まえると、排出削減を軸とした「緩和」の先行きは不透明さを増している。気候変動が期待どおりに抑制される前提で気候リスクを見積もることは、現実的にみて、妥当性を失いつつある。依然として、緩和による影響抑制への期待は大きいとはいえ、すでに現れつつある影響や今後顕在化が見込まれる影響にどう適応するかが、重要かつ優先度の高い課題となっている。
このように、「適応」は気候リスク対応の選択肢の1つにとどまらず、将来の事業継続性、投資効率、収益性、競争力を左右する経営課題として、その重みを増している。
(2)企業における適応の現状
日本企業では気候リスク対応のうち情報開示や目標設定が進んでいる。TCFD提言に沿った開示に加え、ISSB・SSBJ基準を見据えた対応やSBTiに基づく排出削減目標設定での国際的な存在感は大きい(※)。
※国別のTCFD賛同企業数は2023年9月時点で日本が最多の1,454社であった2。SBT(Near-term SBT)の認定企業数についても2026年2月時点で最多の2,279社であった3。
しかし、こうした状況は、気候リスク対応が企業経営に十分組み込まれていることを直ちに意味するものではない。開示実務では、気候リスクへの対応が企業価値やキャッシュ・フローにどのような影響を及ぼし、それが経営判断にどう結び付くのかを明確に示すことが求められている4。このことは、少なくとも投資家との関係において、気候リスク対応と経営判断との結びつきが、なお重要な論点であることを示している。
とりわけ適応の取組みは長期に及ぶ影響を考慮する必要があり、リスクの回避・軽減により見込まれる効果の不確実性は高い。このため、適応に向けた対応の方向性や方針を示すことは可能でも、それを設備投資、拠点配置、調達戦略、商品・サービス設計といった具体的な経営判断に十分反映させることは容易ではない。
すなわち、開示や対応方針の整備が進んでいることと、適応が経営に実質的に組み込まれていることは、分けて考える必要がある。
そのうえで、より本質的な問題なのが、対応の成果の捉えやすさにおける緩和と適応の違いである。緩和では、各部門の排出削減量の積み上げを通じて、全社的な成果を把握することが比較的容易だといえる。これに対して、適応では部門ごとの対応が進んでいても、それらを全社的な戦略として統合し、全体としてどの程度の効果をもつのかを見通すことは難しい。たとえば、調達部門は供給途絶リスクに備えて調達先の多元化を進め、製造部門は洪水リスクを踏まえて操業継続対策を進め、人事部門は猛暑下の労働環境改善のために設備投資を行う場合、いずれも個別には合理的な適応にみえる。しかし、それらが企業全体としてどのリスクをどこまで低減するのか、またそれらの相互関係性を、統合的に分析することは簡単ではない。
(3)問題意識──無自覚な適応
本稿では、企業が自らの取組みを気候変動への適応として明示的に位置づけないまま、実質的には適応に当たる対応が進んでいる状態を、独自の概念として「無自覚な適応」と定義する。
現場では、コスト削減、供給不安への備え、事業継続、人材確保などといった文脈で、気候変動適応に関連する対応が進められている。しかし、それらが適応の取組みとして体系的に整理されず、全社的な観点から位置付けられていない場合、企業全体としては重複投資、対応の空白、部門間の矛盾、将来の選択肢を狭めるロックインなどにつながるおそれがある。
本稿の問題意識は、「無自覚な適応」の中に、適応の失敗につながるリスクが潜む点にある≪図表1≫。
この問題が重要なのは、企業における気候変動適応が、まさに普及・拡大の段階にあるためである。
国は企業における適応の基本的な進め方や取組みの意義を示し、その裾野を広げようとしている。環境省の『民間企業の気候変動適応ガイド』(以下「環境省企業向けガイド」という)は、「気候変動適応に戦略的に取り組むことは、事業の持続可能性を高める上で必要不可欠であることはもとより、顧客や投資家などからの信頼を高めることや、新たな事業機会を創出することなど、民間企業の競争力を高める観点からも重要」としている5。同じく環境省の『気候変動の物理的リスク評価の手引き-気候変動適応で企業価値を高める-(2025年度版)』は、「今後も影響が増大することが懸念される」ため、「適応の取組は今後一層重要となる」とし、「リスクを開示するだけでなく、適応策を実行に移してレジリエンスを高めることが必要」とする6。
また、WBCSD(2026年、日本語翻訳版)は、企業経営層に向けた経済界のメッセージとして、「日本企業においても、サプライチェーンの分断や拠点の被災といった物理的リスクへの関心は高い」とする一方で、それを財務戦略や中長期的な経営判断に結び付けるプロセスには「なお改善の余地がある」と指摘している。さらに同レポートは、不確実な時代に対応するには、「リスクを単に評価する段階から、具体的な経営判断へとつなげていく実践的なアプローチが今こそ求められている」としている7。
このように、適応が先進企業や特定業種だけの課題ではなく、より多くの企業にとって現実的な経営課題となりつつあるからこそ、その進め方の質が問われる。もちろん、適応を「できることから始める」こと自体は重要である。しかし、緩和の場合と異なり、適応では、個別の対応による成果を積み上げるだけでは全体最適につながるとは限らない。むしろ、無自覚なまま部門別の対応が先行すると、後から全社的に見直したり再設計したりすることが難しくなり、初期には合理的にみえた対応が、重複投資や構造的な非効率、柔軟性の低下として固定化されるおそれがある。
普及・拡大期にある今こそ、無自覚な適応から、全社的に統合された適応への転換が重要になる。
(4)適応に関する用語の整理──適応の失敗、適応の限界など
気候変動適応では、意味合いの近い概念や相互に関連する用語がしばしば登場する。特に、maladaptationなどの一部の用語は、日本語訳や関連概念との対応関係が文献によって必ずしも一致していない。そこで、本稿では、UNEPやIPCCなどの用法を踏まえつつ、以降の論点が曖昧にならないよう、用語の整理を行う。
すでに定義した「無自覚な適応」を含め、本稿に登場する主な用語の関係を≪図表2≫に整理した。
①適応の失敗
本稿では「適応の失敗」を、企業の気候変動対応が、結果として被害や経営リスクの十分な回避・軽減につながらない状態として広く捉える。
これは、UNEP(2019)の「unsuccessful adaptation」に当たる8(ただし、その日本語訳版では「不成功の適応」と訳されている9)。なお、「適応の失敗」は、文献によってmaladaptationの訳語として用いられる場合もあり、この点については④で整理する。
②不十分な適応
不十分な適応は、適応の失敗(上記①)の現れ方の1つであり、対策自体は講じられていても、対象、規模、時間軸の面で十分でない適応を指す。人員、予算、時間軸などの面で必要な対応が不足し、リスク低減が不十分にとどまる場合がこれに当たる。
③不適切な適応
不適切な適応も、適応の失敗の現れ方の1つであり、本稿では、長期的視点の欠如や前提の誤りなどにより設計や実施の妥当性を欠く適応を指す。形式的には適応策が講じられていても、全体最適を損ねたり、将来変化への対応を誤ったりすることで、結果として想定したリスク低減につながらない場合がこれに当たる。
なお、「不適切な適応」についても、文献によってmaladaptationの訳語として用いられる場合もあり、この点については④で整理する。
④悪影響をもたらす不適切な適応(maladaptation)
悪影響をもたらす不適切な適応は、不適切な適応(上記③)の中でも、結果として新たな脆弱性やリスク、追加的な不利益を生むものを指す。
これは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書の「maladaptation」に当たる10。
代表例として次が挙げられる。なお、その他の例については、UNEP(2019)で詳しく整理されている11。
- 都市の猛暑に備えた適応策としての「エアコンへの過度な依存」:室内での熱中症リスクは低減するが、都市のヒートアイランド現象の悪化や温室効果ガス排出量の増加を招き、結果として、気候変動リスクをさらに高めるおそれがある。
- 海面上昇に備えた適応策としての「海岸堤防嵩上げ」とその後の後背地における住宅化:一定規模の高潮などの被害を防ぎ土地の安全性を高める一方で、ひとたび想定を超えた災害が発生した際には、適応前よりも大きな被害につながるなど、結果的に長期的なリスクを高めるおそれがある。
「maladaptation」は、IPCCが2001年に取り上げて以降、適応策を検討・実施する際に留意すべき事項として、長らく認識されてきた概念だが、その日本語訳は定まっていない。たとえば、IPCC第6次評価報告書の政策決定者向け要約(SPM)の環境省暫定訳版では、maladaptationが「適応の失敗」と訳されている12。その一方で、環境省企業向けガイド13、国立環境研究所作成の地方公共団体向け解説書14、IGESによるUNEP(2019)の翻訳版15では、いずれも「不適切な適応」という訳があてられている。
そこで本稿では、IPCC第6次評価報告書(英文)の定義を踏まえつつ、上記①や③との区別を明確にするため、「悪影響をもたらす不適切な適応(maladaptation)」を用いる。
⑤適応の限界
適応の限界は、上記①~④のような適応そのものを表す概念ではなく、適応によって対応できる範囲の境界を指す。その見極めを誤ると、結果として適応の失敗(上記①)につながるおそれがある。
⑥無自覚な適応
無自覚な適応の定義は前項(3)のとおりである。図表2では、無自覚な適応を、不十分な適応(上記②)だけでなく、適応の設計や統合を欠いた不適切な適応(上記③)という形で、適応の失敗につながりうる要因として位置付けた。
2.適応しているのに、全体最適になりにくい理由
(1)部門横断的なリスク管理の重要性
気候変動への適応に相当する取組みは、適応策として明示的に位置づけられたものか否かにかかわらず、原料調達先の見直し、災害時の事業継続体制の強化やBCPの作成、猛暑下における労働環境の改善といった形で、多くの企業で進展しつつある。環境省企業向けガイド16では、気候変動適応の取組みを個々の既存事業活動へ組込むことが、取組みをスムーズに開始するうえで役立つと紹介されている≪図表3≫。
たとえば、気候変動に伴う気象災害発生時の被害予防や早期復旧であれば、事業継続マネジメント(BCM)や事業継続計画(BCP)の作成への組込みが例示されている。そのほかにも、操業コスト等への影響の軽減であれば施設管理・生産管理・品質管理、熱中症等による従業員への影響予防であれば安全衛生管理への組込みが挙げられている。
このように、企業の適応は、既存の事業活動の中で対応を始めることに一定の合理性がある。ただし、ここで重要なのは、TCFDのガイダンス(2020)が求めるように、こうした対応が、企業全体のリスク管理に組み込まれ、全社横断的に把握・調整されているかどうかである17。
WBCSDのレポート『Physical Risk and Resilience in Value Chains』は、企業における「物理的リスクのガバナンスは一般的に断片化」し、しばしば縦割りで運用されているため、「リスク・財務・業務といった中核的な事業活動との統合を欠いている」と指摘する。そのうえで、「物理的リスクを部門横断的に管理し、それを意思決定プロセスや中核的な事業計画に統合」することを推奨している18。
(2)業種・事業特性ごとの適応の進み方
環境省企業向けガイドには、業種・事業特性別の物理的リスクが、急性影響と慢性影響に分けて整理されている≪図表4≫19。
このように、適応が求められる気候変動影響・リスクは、その時間軸や影響経路が業種・事業特性ごとに異なる。したがって、企業における適応の取組みの進み方には、業種・事業特性に応じた特徴が表れる。
①食品製造業・小売業
食品製造業や小売業(スーパー、百貨店など)では、天候や気候条件が、原材料調達、製造・販売時の温度管理、物流の安定、需要の季節変動などを通じて、日常の事業運営と密接に結びついている。そのため、調達先の分散、在庫管理の見直し、代替原料の検討、需要変動への中長期的な対応は、気候変動への適応という意味合いをもつ一方で、実務上は通常業務の延長線上の取組みとして扱われやすい。
しかし、適応に相当する取組みが調達、生産、物流、販売など事業活動の各段階に分散したまま進むと、段階をまたいだリスクの全体像を把握しにくくなる。その結果、同種のリスクへの重複対応によって非効率が生じたり、複数の段階にまたがるリスクが見落とされたりする可能性もある。
たとえば、気象災害や天候不順の増加に伴う供給不安定化への対応として、調達段階では原料在庫を積み増し、物流段階では中継拠点在庫を増やし、販売段階でも店舗在庫を厚くするといった対応が、それぞれ独立に進められる場合がありうる。この場合、欠品リスクへの備えが各段階で重複し、全体として過剰在庫や廃棄リスクが増大するといった非効率につながるおそれがある。
したがって、事業活動の各段階で、天候・気候条件への対応という通常業務の延長線で進みやすい適応を、部門・工程横断的に把握し、適応として明示的に位置づけてリスク管理することが課題として想定される。
②建設・インフラ、不動産、情報通信、公益事業
建設・インフラ、不動産、情報通信、公益事業では、豪雨、洪水、高潮、猛暑などが、設備の被害、サービスの停止・低下、作業環境の悪化等を通じて、事業活動の継続に直結する。そのため、適応は、設備の耐災害性能の向上、保守・更新計画の見直し、ハザード予測の活用、緊急時対応体制の整備など、個別の施設・拠点単位の物理的リスク対策として具体化されやすい。
この場合の課題は、個別の施設・拠点での物理的リスク対策を、拠点の配置計画や将来維持すべきサービス水準、資金配分の優先度、人員配置などと、いかに整合させられるかという点にある。
たとえば、洪水発生頻度の増加に備えて既存拠点の浸水対策を強化した場合、当該拠点の事業継続性は高まる一方、投資の固定化に伴い、拠点配置の見直しや機能分散の柔軟性を損なうロックインが生じ、長期的な事業戦略との整合が問われるおそれもある。
大規模施設への投資は規模が大きく、長期的に固定化しやすい。後から見直すことが難しいため、施設・拠点ごとの適応策を、長期的な資産管理や事業継続の方針と結び付け、それらの調整・整合を長期にわたり図ることが課題として想定される。
③製造業全般
製造業にはさまざまな事業特性があり、気候変動による具体的な影響経路も企業によって異なる。しかし、気候変動の影響が、豪雨や高潮などによる施設被害の発生、サプライチェーンの寸断、原材料・水資源など自然資本の制約、長期的な需給変動や需要構造の変化など、物理的にも時間的にも複数の経路を介して事業に及ぶ点は共通している。
そのため、事業工程ごとにみれば合理的な適応策であっても、その効果や副次的な影響が、後続の工程や取引先との関係に連鎖する場合があり、調達、製造、在庫管理、物流、販売などを含めたバリューチェーン全体としての優先順位付けや資源配分の判断が難しい。
たとえば、災害頻度の増加に備えて調達先の多元化を進めることは、供給途絶リスクへの備えとして有効な対応となりうる。しかし、調達先の拡大に伴い、調達部品の仕様や品質のばらつきが十分に管理されない場合、製造段階での品質検査が複雑化し、製造歩留まりや収益性に影響を及ぼすおそれもある。さらに、こうしたばらつきや歩留まりの低下は、生産計画の乱れを通じて、供給安定性にも影響を及ぼしうる。
加えて、適応策の選定では、短期的な安定・成長だけでなく、設備更新、脱炭素化投資との整合、事業構造の中長期変化への対応など、異なる時間スケールの論点を同時に考慮する必要がある。
したがって、バリューチェーン全体にわたる複数の影響経路を考慮しつつ、短期から中長期までの投資判断を含めた総合的な適応の検討・判断が、課題として想定される。
④医療・ヘルスケア産業
医療・ヘルスケア産業では、気候変動の進行に伴う熱中症や感染症リスクの変化、製品の保管・輸送時の温度管理、気象災害の頻発化・激甚化によるサプライチェーンへの影響などが、医療サービスや医薬品等の品質確保・安定供給に深く関わる。そのため、気候変動への適応は、労働安全衛生管理、品質管理、調達管理、供給管理、事業継続管理など、既存の管理課題の中で扱われやすい。
しかし、こうした対応が管理課題ごとに個別に進められた場合、対策間のトレードオフが懸念される。たとえば、供給管理の観点から在庫確保が進み、品質管理の観点から保管・輸送時の温度管理が強化されると、在庫の保管期間が長期化することや、温度管理を要する工程・地点の増加といった影響も生じうる。その場合、結果として、品質リスクや廃棄リスクの増加につながるおそれがある。
このため、バリューチェーン全体を俯瞰したうえで、安全性、品質確保、安定供給のバランスを踏まえた優先順位付けと資源配分を行うことが課題として想定される。
⑤小括
以上のように、適応の進み方には業種・事業特性に応じた特徴や課題がある。食品製造業・小売業では、適応が事業活動の各段階に分散しやすい。建設・インフラ、不動産、情報通信、公益事業では、拠点単位の物理的リスク対策と、長期的な資産管理・事業継続との接続が重要になる。製造業では、複数の経路を介して対策の効果・影響が連鎖するため、時間軸を加味したバリューチェーン全体としての総合的な判断が課題となる。医療・ヘルスケア産業では、既存の品質管理、供給管理などの管理課題の中に適応が埋もれやすい。
これらに共通しているのは、適応が全社戦略として先に整理されるのではなく、既存業務上の合理的対応として先行して進みやすい点である。
さらに、こうした課題は自社内の部門間だけに限られない。サプライチェーン上の取引先や委託先を通じてリスクが波及する場合、自社の拠点や設備だけを見ていても、適応上の脆弱性を十分に把握できない。WBCSD(2025)も、多くの企業では「自社資産の先にあるバリューチェーン上の状況を可視化できていないことが多く」、その「死角により、操業への支障や財務上の損失を引き起こしている」と指摘している20。したがって、適応の設計では、社内だけでなく、サプライヤーや顧客を含めたバリューチェーン上の依存関係を可視化し、リスクを評価・管理することが重要になる。
(3)全体最適を妨げる3つの構造要因
企業の適応は、業種や事業特性によって異なる形で進む。しかし、前項でみたように、既存業務や部門単位での合理的対応として進みやすく、全社戦略として整理されにくい。個別には合理的な適応が、必ずしも全体最適に結びつかない背景には、いくつかの構造要因がある。
気候リスクは長期的で不確実性が大きく、ある時点で影響が一気に表面化することもある(「非線形的」ともいわれる)。一方、企業の意思決定は、短期的な採算性、各部門の責任範囲、既存の評価指標に沿って行われやすい。このような気候リスクの性質と、企業の意思決定・組織運営の枠組みとのミスマッチが、適応を全社的な戦略として統合することを難しくしている。
本稿では、その構造要因を「費用・便益の見え方の非対称性」、「部門別最適の固定化」、「成果の全社的な統合評価の難しさ」という3つの観点から整理する。
①費用・便益の見え方の非対称性
適応は、企業にとって単なる追加費用ではない。本来は、気候変動下における事業継続性やレジリエンスの向上、将来の需要変化に対応した製品・サービスの創出などを通じて、企業価値を維持・向上させるための投資として位置付けられるべきものである。
WBCSD(2025)は、企業における適応・レジリエンス対策の便益費用比率について、業種による幅はあるものの、全体として費用を上回る価値が確認されていることを示し≪図表5≫、「レジリエンスは、単なる防御ではなく、急速に業績の原動力となりつつある」と報告している21。
しかしながら、実務上、適応の効果は見えにくい。その効果は、多くの場合、長期的な損失の回避や軽減、事業継続の確保、操業停止リスクの低減といった形で現れる。ハザードによる損失を実際に回避・軽減できた場合には便益として把握されやすいものの、短期的な売上や収益としては直接把握・計上されにくい。一方で、適応に要する費用は、設備投資、在庫増、人員配置、保守点検の強化などとして、対策を実施した時点で明確に計上される。
その結果、適応は企業価値を高める投資という側面よりも、既存の災害対策や事業継続対応に上乗せされる追加的な費用として認識されやすい。特に、短期的な収益指標や部門別の予算配分・管理が重視される企業実務の中では、適応の便益が十分に評価されず、必要性は認識されたとしても、優先順位は上がりにくい。
また、この問題は気候リスクの性質とも関係している。気候変動の影響は時間とともに徐々に増加していくとは限らない。猛烈な熱波や干ばつを契機に、操業停止やサプライチェーンの寸断、労働環境の悪化などが一気に表面化することもありうる。こうした非線形的な性質をもつリスクでは、過去の実績に基づく判断や、短期的な費用対効果を軸とした通常の投資判断だけでは、適応の効果を適切に評価することは難しい。特に、将来の損失回避や事業選択肢の確保といった効果は、短期的な収益指標では捉えにくい。
適応に関して、このような費用・便益の見え方の非対称性が問題となる背景には、適応の効果を評価するための指標が十分に整っていないことも大きい。国際商業会議所(ICC)ほか(2025)は、民間企業による適応策への投資が進みにくい要因の1つに、適応の投資効果を表す標準化された指標やタクソノミーの不足を挙げている22。適応による便益を経営上の投資判断に組み込むために、適応の効果に関する実用的な評価指標の整備が望まれる。
②部門別最適の固定化
企業の適応は、リスク管理部門が全体を統括する場合もあるが、実務上は、調達、製造、物流、人事、総務などの各部門が、それぞれの責任範囲において対応を進めることが多い。たとえば、調達部門は調達先の多元化、製造部門は設備管理の高度化、人事・総務部門は労働環境や安全衛生への対応を担う。図表3に示したように、適応策をその目的に応じて既存の事業活動へ組み込むことは、適応を円滑に始めるうえで有効であり、各部門が自らの業務課題として適応に取り組むことには実務上の合理性がある。
したがって、適応が部門別に立ち上がること自体が問題なのではない。問題は、部門別に合理的に立ち上がった対応が、その後も部門ごとの予算やKPIの中で管理され、全社的なリスク低減や投資判断に接続されにくい点にある。
ここには、組織のサイロ化と全社視点の欠如が関係している。各部門がそれぞれの評価指標に基づいて対応を進めれば、局所的には合理的な改善が進む。このとき、局所的な改善を通じて向上した部門KPIを単に積み上げてしまうと、全社的にも適応が進んでいるように見えやすい。しかし、その対応が企業全体としてどのリスクを低減しているのか、他部門の事業活動とどのような関係にあるのか、限られた経営資源の中で優先すべき対応なのかが整理されなければ、適応は個別最適の積み上げにとどまってしまうおそれがある。
たとえば、猛暑に備えた対応では、総務・人事部門が労働安全衛生の観点から休憩時間や作業環境を見直し、製造部門が事業継続の観点から製造ラインの稼働計画を調整し、物流部門も配送体制を見直すことが想定される。これらは、部門ごとには合理的な対応にみえる。しかし、全社的にみれば、勤務時間や人員配置、空調設備への投資、各部門の稼働時間、エネルギーコスト、納期のバッファー管理などをどのように調整し、どの水準までリスクを許容するかによって、各部門に割り当てるべき対応水準も変わる。部門ごとの対応だけでは、こうした横断的な優先順位付けは難しい。
さらに、①で述べたとおり、適応の便益が見えにくく、費用が先行して認識されやすい状況では、部門をまたいだ調整や、全社を通じた適応投資の再配分を進めるインセンティブも働きにくい。このため、部門ごとに始まった適応は、その後も全社的に統合されないまま継続されやすい。TCFDでも、気候リスク・機会の管理において、部門横断的な連携や企業全体のリスク管理への統合の重要性を指摘している23。
したがって、部門ごとの適応に向けた取組みを否定するのではなく、それらを全社的なリスク低減と投資判断に結びつける仕組みが必要になる。具体的には、適応の進捗を部門単位のKPIの積み上げだけで評価するのではなく、取組み相互の関係、全体としてのリスク低減効果、投資の優先順位などを部門横断的に評価し、経営資源の配分を調整する仕組みを整備することが課題となる。
③成果の全社的な統合評価の難しさ
緩和の場合、温室効果ガス排出量を共通指標とすることで、各部門の取組みを全社的な成果として統合的に把握しやすい。GHGプロトコルやSBTiなど、排出量算定や目標設定に関する共通枠組みも、こうした共通指標をベースに整備されてきた。
これに対して、適応では、企業ごとに直面する気候ハザード、立地、資産構成、サプライチェーンの構造や脆弱性、許容リスクなどが異なる。そのため、共通性の高い指標によってリスク算定や目標設定を行う枠組みは、十分に確立していない(※)。個別の適応策について期待される効果を説明することはできても、それらを組み合わせた結果として、企業全体のリスクがどの程度低減したのかを、比較可能な成果として統合的に示すことは現状では難しい。
※適応に関しても、国・地域レベルでは、COP30で採択されたGGA関連のベレン適応指標24がある。また、企業・組織レベルでも、ISO 14090・14091など、適応の進捗把握や管理・リスク評価の枠組みに関する動きはある。それらについては次稿(後編)で整理を試みる。
米国のNGOであるClimate Policy Initiative(2024)は、民間部門における適応が進みにくい要因として、適応とレジリエンス(A&R)の進捗を測定・管理する共通の成果指標が存在しないことを挙げている25。緩和策では排出削減量を共通の指標としやすい一方、適応では成果を一律に測りにくく、このことが民間部門における適応ファイナンスの把握や追加投資の目標設定を難しくしていると指摘している。
また国際商業会議所(ICC)ほか(2025)も、緩和策の排出削減量とは異なり、適応策では地域や事業内容によって効果や便益の算定根拠が異なるため、成果を全体として測定・比較しにくいと指摘している26。その結果、投資家にとっては、企業全体としての適応策の費用対効果や損失回避効果を評価しにくく、適応債券やファンドなどの金融商品化も進みにくいとしている。
共通の成果指標が乏しいことは、企業内部における全社的な統合評価にとって大きな支障となる。個別の適応策が実施されていても、それらが全社としてどのリスクをどこまで低減しているのかが見えにくく、優先順位付けや経営上の意思決定に結び付きにくい。
適応の効果は、気候変動による影響が顕在化した後であれば「特定の被害を回避・軽減できた」と説明できる場合がある。しかし、それを売上や利益のような短期の成果指標に置き換えたり、企業全体としてレジリエンスがどの程度高まったのかを定量的に示したりすることは容易ではない。
したがって、適応を全社戦略として設計するには、個別施策の実施状況や効果を把握するだけでなく、それらが全社的なリスク低減やレジリエンス向上にどのように寄与しているのかを統合的に評価する仕組みを整えることが課題となる。
(4)無自覚な適応に潜む実務上の課題
以上のような3つの構造要因が背景にあるため、企業内で個別に進む無自覚な適応は、企業全体として最適化されにくい。それらをリスク管理、投資判断、事業戦略の中に位置付け、適応を経営課題として扱うためには、適応の質と設計を部門横断的に点検する視点が必要になる。
では、こうした対応が全社的に統合されない場合、どのような課題が生じうるのだろうか。ここまでに挙げた例を改めて整理すると、次のようになる≪図表6≫。
3.無自覚な適応に潜むリスク──適応の質と設計
(1)無自覚な適応を「質と設計」の問題として考える
ここまでみたように、適応に相当する取組みは個別最適にとどまりやすい。企業における適応が全体最適に結びつきにくい背景には、気候リスクがもつ性質と、企業の意思決定・組織運営の枠組みとのミスマッチに起因する構造的な問題がある。そのため、適応に当たる対応が、十分に設計されず、評価されないまま進みやすい。
無自覚な適応のリスクは、こうした状態に潜んでいる。対応が気候変動への適応として全体最適の観点から設計されなければ、企業全体として期待される便益は不明確なままとなり、投資判断に接続されにくく、部門別の対応が固定化されやすい。さらに、適応の成果を全社的に統合評価できなければ、優先度の高い経営課題とは認識されにくい。
したがって、無自覚な適応は、明示的な位置づけの有無だけでなく、「適応の質と設計」の問題として捉え直す必要がある。すなわち、適応が全社的な意思決定に組み込まれているか、将来の変化にも対応できるよう設計されているかという観点から、そのリスクを整理することが重要になる。
(2)主流化・統合の度合いと将来変化への対応力からみた整理
企業における適応は、「主流化・統合の度合い」と「将来変化への対応力」という2つの軸で概念的に整理できる≪図表7≫。
前者は、適応に当たる対応が、部門別の個別対応にとどまらず、全社的なリスク管理、投資判断、事業戦略などの意思決定に組み込まれている程度を表す。後者は、現在の対応が、気候リスクの長期性・不確実性・非線形性を踏まえて、将来の気候変化、複合的なリスク、事業環境の変化に応じて見直しや調整が可能なものになっているかを示す。
ただし、ここでいう主流化・統合とは、各部門の対応を集めて単に一覧化したり、社内で認識を共有したりすることではない。また、部門ごとの対応によって改善した部門別KPIを、単に足し合わせて、それを全社的な適応の成果とみなすことでもない。前述のとおり、個別対応同士の関係性、全社的なリスク低減への寄与、経営資源配分上の優先順位が整理されていなければ、適応は個別最適の積み上げにとどまる。主流化・統合とは、こうした個別対応を、全社的なリスク管理、投資判断、事業戦略に接続することを意味する。
これら2つの軸でみると、適応は大まかに4つの領域に区分される。この中で望ましいのは、右上に位置する「統合度が高く、柔軟な適応」である。これは、適応が全社的に位置づけられ、かつ将来変化にも柔軟に対応できるよう設計されている状態であり、適応の失敗に陥るリスクは相対的に低い。
ただし、主流化・統合度が高いだけでは十分ではない。右下の領域ように、全社的な統合度は高くても、将来変化への対応力が低ければ、硬直的な適応となり、適応の失敗に陥るリスクを抱えやすい。特に、適応の設計が将来予測、既存の設備、現行の拠点配置などに過度に依存する場合は、気象・気候条件や事業環境が想定と異なる推移をしたときの対応が困難になる。これは、全社的な意思決定への組み込みは進んでいるものの、設計の質という点で課題がある状態といえる。
反対に、左上の領域のように、対応自体の柔軟性は確保されていても、全社的な統合度が低ければ、適応の効果は局所的・限定的なものにとどまりやすい。全社的にみて最適な判断とはいえない対応が進むことで、将来の事業継続性、投資効率、収益性、競争力に影響を及ぼすおそれもある。
相対的にリスクが高いのは、左下の領域のように、全社的な統合度が低く、かつ将来変化への対応力も乏しい適応である。この領域では、既存業務の延長線上で進んだ対応が十分に検証されないまま固定化し、不十分な適応や不適切な適応につながりやすい。その一部は、結果として新たな脆弱性やリスク、追加的な費用や不利益などを伴う「悪影響をもたらす不適切な適応(maladaptation)」に至るおそれもある。
この図で重要なのは、無自覚な適応が特に図の左側、すなわち主流化・統合度の低い領域に表れやすく、結果として失敗リスクを抱えた適応につながりやすい構造が存在することである。そのような適応が直ちに失敗を意味するものではないが、全社的な整合性や将来変化への対応力が検証されなければ、適応の失敗に至るリスクは相対的に高まる。
したがって、無自覚な適応の状態にある企業に求められるのは、すでに進んでいる対応を全社的な適応方針に照らして可視化し、全社的なリスク管理や経営判断に接続して主流化・統合を進めることである。そのうえで、それらを将来変化に耐えうる形に設計し直すことが次の課題となる。
4.まとめ──無自覚な適応から「設計された適応」へ
本稿では、企業において、気候変動への適応に当たる対応が必ずしも明示的に位置づけられないまま、部門ごとの既存業務の改善の中で実質的に進んでいる場合があることを取り上げた。そのような状態を、本稿では「無自覚な適応」と呼んだ。
無自覚な適応は、それ自体が直ちに問題なのではない。業種や事業特性に応じて適応の形は異なり、各部門ではそれぞれの責任範囲で合理的な対応が進められる。しかし、それらが気候変動への適応として全社的に位置づけられず、経営課題や事業戦略、投資判断に十分接続されないまま進む場合、気候リスク対応に要する費用の増加や柔軟性の低下につながるおそれがある。とりわけ重要なのは、全体最適とは異なる対応が進むことで、将来の事業継続性、投資効率、収益性、競争力にも影響を及ぼしかねない点である。
適応が全体最適に結びつきにくい背景には、費用・便益の見え方の非対称性、部門別最適の固定化、成果の全社的な統合評価の難しさという3つの構造要因がある。そのため、適応に当たる対応は既存業務の中で進みやすい一方、無自覚な適応として固定化されやすく、全社的な主流化・統合へは移行しにくい。
この問題が重要なのは、企業における気候変動への適応が、先進企業や特定業種による先行的な取組みから、より多くの企業が向き合うべき経営課題へと移行しつつあるためである。もちろん、適応を「できることから始める」こと自体は重要である。しかし、無自覚なまま部門別の対応が先行すると、後から全社的に見直したり再設計したりすることが難しくなり、初期には合理的にみえた対応が、重複投資や構造的な非効率、柔軟性の低下として固定化されるおそれがある。
したがって、課題は、適応に当たる取組みの有無ではなく、そのような取組みが適応として明示的に位置づけられ、設計され、評価されているかにある。言い換えれば、問題の本質は「適応の質と設計」にある。
この視点に立つと、企業に求められる対応は、個別施策を単に積み増すことではない。また、各部門における対応を単に一覧化したり、部門別KPIを足し合わせたりするだけでは、全社的に統合された適応が進んでいるかどうかを判断できない。必要なのは、すでに各部門で進んでいる対応を気候変動への適応として把握したうえで、それらが対象とするリスク、残余リスク、他部門への影響、将来の見直しの可能性を整理し、全社的なリスク管理、投資判断、事業戦略の中に位置づけ直すことである。
そのうえで次なる課題は、既存の対応を将来変化に耐えうる形に設計し直すことである。次稿(後編)では、設計や統合が不十分なまま進む無自覚な適応が、どのような場合にロックインなどを通じて適応の失敗につながりうるのか、そのリスク構造を掘り下げる。そのうえで、適応の失敗や不適切な適応を回避するため、企業の意思決定をどのように再設計すべきかなど、対応の方向性について検討する。
- WBCSD「物理的リスクに先手を打つ(Getting Ahead of Physical Risk)」2025年9月(2026年3月 日本語翻訳版 p.3)
- 環境省webサイト「企業の脱炭素経営への取組状況」(2026年4月30日閲覧)
- 環境省グリーン・バリューチェーンプラットフォーム「知る 05排出削減目標の設定」(2026年4月30日閲覧)。ただし、Net-Zero目標に限ると、国別の認定企業数は100社であり、日本が世界5位となっている。
- 金融庁「記述情報の開示の好事例集2025(サステナビリティ情報の開示)」では、①有価証券報告書は前年度の統合報告書の焼き直しではなく、当年度の経営判断や指標を開示する媒体であるべきこと、②投資家が企業価値やキャッシュ・フローへの影響を判断できるよう、財務情報と非財務情報のつながりの可視化を進めることが重要であることなどが示されている。
- 環境省「民間企業の気候変動適応ガイド-気候リスクに備え、勝ち残るために-」(2022年)
- 環境省「気候変動の物理的リスク評価の手引き-気候変動適応で企業価値を高める-(2025年度版)」(2026年3月)
- 前掲注1 p.3
- UNEP (2019). Frontiers 2018/19 Emerging Issues of Environmental Concern. p.67
- 国連環境計画(UNEP)「Frontiers 2018/19: Emerging Issues of Environmental Concern」IGES日本語翻訳版 p.5
- IPCC AR6 WGII Summary For Policymakers, 2022年, p.27
- 前脚注8 pp.70-71
- IPCC AR6 第2作業部会報告「気候変動-影響・適応・脆弱性」政策決定者向け要約 環境省暫定訳(2023年)p.30
- 前脚注5 Box4.1.1
- 国立環境研究所「施策に気候変動影響予測・評価を反映する際の考え方(第1版)」(2025年)p.29
- 前脚注8
- 前脚注5 p.32
- TCFD, “Guidance on Risk Management Integration and Disclosure”, 2020 は、気候関連リスクを既存のリスク管理プロセスに統合するにあたり、部門横断的な連携の重要性を示すとともに、その統合状況を企業全体のリスク管理との関係で開示するよう求めている。
- WBCSD「バリューチェーンにおける物理的リスクとレジリエンス(Physical Risk and Resilience in Value Chains)」2025年9月(2026年3月 日本語翻訳版 p.43)
- 前脚注5 p.43
- 前脚注1 p.7
- 前脚注1 p14
- International Chamber of Commerce(ICC)・Oxera, “The role of the private sector in climate adaptation”, 2025. は、民間企業による適応策への投資が進みにくい要因に、気候リスクデータへのアクセスや開示の不足、制度的なインセンティブの弱さ、適応の投資効果を表す標準化された指標やタクソノミーの不足という3点を挙げている。
- TCFD, “Guidance on Risk Management Integration and Disclosure”, 2020 は、気候関連リスクを既存のリスク管理プロセスに統合するにあたり、部門横断的な連携の重要性を示すとともに、その統合状況を企業全体のリスク管理との関係で開示するよう求めている。
- A-PLAT気候変動適応情報プラットフォーム「適応関連の交渉結果①?適応に関する世界全体の目標(GGA)」(2026年4月30日閲覧)
- Climate Policy Initiative “Tracking and Mobilizing Private Sector Climate Adaptation Finance – 2024”
- 前脚注22
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