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生物多様性COP17直前ポイント解説~進捗評価から実施の加速へ:交渉テキストから読む5つの焦点~

上級研究員 鈴木 大貴

10月19日に開幕する生物多様性条約第17回締約国会議(CBD COP17)では、昆明・モントリオール生物多様性枠組(KM-GBF)の実施状況を初めて評価するグローバルレビューが行われる。条約事務局は、実施が急速に加速しない限り2030年のターゲットは達成されないと総括している。しかし9月28日付の決定草案集では、実施の加速策のほか、資金の拠出国の範囲や企業の開示を後押しする具体策など、企業・金融機関に影響しうる論点の多くが、未合意を示すブラケット([ ])付きのまま残る。本稿では、5つの焦点について争点を整理し、日本への含意、会期中の日程と交渉の流れを示す。
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1.はじめに

2026年10月19日から30日まで、アルメニアの首都エレバンで生物多様性条約第17回締約国会議(CBD COP17)が開かれる1。

最大の議題は、2022年のCBD COP15で採択された世界目標である昆明・モントリオール生物多様性枠組(KM-GBF:2030年までの23のターゲットなどを定める)の実施状況を締約国全体で評価する初のグローバルレビューである。その基礎となるグローバルレポートは、129締約国の国別報告書(実施状況の報告)や162締約国の国別目標(KM-GBFを受けて各国が定める目標)などを条約事務局が集約したものである。同レポートは、KM-GBFが前例のない関与と行動を生み出したとする一方、実施が急速に加速しない限り、2030年のターゲットとミッション(生物多様性の損失を止めて反転させ回復軌道に乗せる、いわゆるネイチャーポジティブの実現)は達成されないと総括した2。

また、条約事務局は2026年9月28日付で決定草案集(CBD/COP/17/2)をとりまとめた3。決定草案は、CBD COPが会期中に採択する「決定」の原案となる交渉テキストで、CBD COPに先立って論点を協議する補助機関の勧告などをもとに議題ごとに整理されたものである。会期中はこれを土台に調整が進み、合意に至った文言が決定として採択される4。補助機関会合などで締約国の意見がまとまらなかった文言はブラケット([ ])で囲まれており、その削除・修正やブラケットの解除が会期中の交渉の主な争点となる。

CBD COPの決定は企業を直接拘束するものではないが、各国の政策を通じて事業環境に影響しうる。本稿では、決定草案のうち、会議の中心となるグローバルレビューと、企業・金融機関との関わりが特に深い4つの論点の、計5つを焦点として取り上げる。

 
① グローバルレビュー:KM-GBFの実施を加速するための方策「エレバン・パスウェイ」のうち、「経済・金融システムの変革」に触れる一文や、官民の自主的な取組みの重点として遅れたターゲットを例示する部分が、ブラケット付きで残る5。
② 資源動員(生物多様性のための資金の確保・拡大):条約第20条2項に基づき途上国への資金提供の義務を負う先進締約国等のリスト(2006年採択)を見直す方法について、4つの選択肢(Option A〜D)が併記されている6。
③ 主流化(生物多様性への配慮を政策や事業に組み込むこと):企業が自然への依存・影響等を評価・開示・低減する責任はブラケットなしで盛り込まれている7。一方、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)のビジネスと生物多様性に関する報告書を扱う決定草案では、行動を義務付ける規制枠組みや開示の促進がブラケット付きである8。
④ デジタル配列情報(DSI、遺伝資源の塩基配列などの情報):DSIの利用者からの拠出を受けるカリ基金の拠出率(利益の1%または売上の0.1%)は「目安」として再確認され、各国で中小企業とされる事業体には拠出を期待しない(ただし奨励する)案となっている9。
⑤ 気候変動:金融機関等に自然を活用した解決策(NbS)等を通じた投資拡大を呼びかける一方、国際司法裁判所(ICJ)などの勧告的意見への言及や、生態系を活用した気候変動適応・防災(EbA/Eco-DRR)のガイドライン補足版の扱いは未決着である10。
 

公式文書に基づく記述には、脚注で該当する文書番号とパラグラフ(パラ)番号を示す。また、7月下旬から8月にかけてナイロビで開かれた補助機関会合(科学技術助言補助機関(SBSTTA)第28回:7月27日〜8月1日、実施補助機関(SBI)第7回:8月4日〜12日)での各国の主張は、国際持続可能開発研究所(IISD)の報道要約(ENB)に基づく。

2.議題別の見どころ

(1)グローバルレビュー(議題9)

議題9(a)の決定草案は、各国の自己評価で「順調」とされた国別目標が、どのターゲットでも半数に満たず、なかでもターゲット6(侵略的外来種)、12(都市の緑地)、15(企業の影響評価・開示)、16(持続可能な消費)、18(有害補助金)、19(資金動員)で少なかったと明記する11。民間資金の動員・追跡と、生物多様性を損なう補助金など有害なインセンティブの削減については、進捗が限られるとした12。ターゲット19(a)の2025年の中間目標(国際資金で年200億ドル)は、グローバルレポートで「おそらく未達」とされた(確定は2025年までのデータ待ち)13。

決定草案の後半は、開催地にちなみ「エレバン・パスウェイ」と名付けられた2030年に向けた加速策で、実施の加速、目標の範囲、実施手段、政府全体・社会全体での取組み、モニタリングの各項目にわたり、締約国などに行動を促す14。ただし、加速には「経済・金融システムの変革」が必要とする一文、官民の自主的な連携・イニシアティブに進捗の遅れた6つのターゲットへの重点化を促す部分、国別目標の拡充を促す規定(促し方の異なる2案が併記)は、いずれもブラケット付きである15。

決定草案は、レビューの規定を「促進的・非介入的・非懲罰的」に解釈するとしており16、レビューは各国を個別に評価・順位付けしない前提で設計されている。このためレビューの成果は、加速の方向性や重点をどこまで具体的に書き込めるかにかかる。遅れた6つのターゲットは、決定草案の現状認識(パラ5)ではブラケットなしで明記されているが、自主的な取組みの重点として示す部分(パラ18)は未決着である。ターゲット15(企業の影響評価・開示)、18(有害補助金)、19(資金動員)が重点として残るかで、企業・金融機関の自主的な取組みにどの分野で期待が寄せられるかが見えてくる。

次回のグローバルレビューは2030年のCBD COP19で行われ、各国が2029年6月30日までに提出する第8次国別報告書が主な情報源となる17。

(2)資源動員・資金メカニズム(議題8)

資源動員の決定草案(議題8(a))は全体がブラケットで囲まれており、KM-GBFのターゲット19(資金動員)について、締約国が約束を果たしていないために「前例のない未達」となっていると認める一文も未決着である18。

焦点となる拠出国の範囲については、リスト入りを自ら申し出た国を加える方式(Option A)、世界銀行の所得分類を目安に小島嶼開発途上国を除く高所得国を加える方式(Option B)、条約事務局が協議のうえ更新する方式(Option C)、分析・協議を経て2028年のCBD COP18で検討する方式(Option D)が並ぶ19。補助機関会合(SBI第7回)では、カナダが日本、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェー、スイス、イギリスを代表して拠出国の範囲拡大を求め、世界銀行の所得分類を代理指標とするよう提案した。EUもリスト改定を支持した一方、中国は改定にはCBD COPの承認が必要とし、カタールは80を超える国がOption Bの削除を求めたと主張して、サウジアラビアもこれに同調した20。条約第21条に基づく資金メカニズム(現在は地球環境ファシリティ(GEF)が運営)の運営主体の基準も「採択(adopt)」か、より弱い「留意(note)」かで割れており、運営主体を新設するか既存の主体を引き続き充てるかは、SBIでの検討を経てCBD COP18で判断する方向である21。

なお、議題8(a)は、作業部会(議題を分担して審議する会合)で各国が意見を述べる第一読会を経ずに、コンタクトグループ(締約国が条文案を詰める交渉会合)で直接交渉される24。条約事務局も10月7日の準備ウェビナーで、SBI第7回で扱った資源動員の論点を、各国の意見対立が大きい重要事項に挙げた23。

資金メカニズムの決定草案(議題8(b))では、日本を含む22か国によるGEF第9次増資(4年ごとの資金の積み増し)の拠出表明(5月30日時点で約39億ドル)への言及自体がブラケット付きで、第8次から27%減ったことへの「深い懸念」も同様である24。他方、GEF第9次増資で、資金配分(プログラミング)の25%を民間資本の動員に向ける努力目標を導入したことは、ブラケットなしで歓迎されている25。GEFの報告によれば、KM-GBFの実施を支援するためGEFの下に設けられた生物多様性枠組基金(GBFF)は、後発開発途上国・小島嶼開発途上国向け、国際金融機関経由、先住民族・地域社会(IPLC)支援の3つの配分目標をすべて達成した26。

国際公的資金が伸び悩むなか、資金をどう確保し、どう届けるかという従来の課題に、誰が拠出するかという論点が加わっている。資金メカニズムの運営主体の議論は前者に、拠出国リストの見直しは後者に関わる。とりわけリスト見直しが合意されるか、Option Dのように先送りされるかが注目される。

(3)主流化(議題14・議題17(e))

主流化の決定草案(議題14(a))は、企業・金融セクターの関与を強め、自然に関するリスク・依存・影響を評価・開示・低減する企業の責任を強調するよう、締約国に促している27。企業・金融機関に、生物多様性を事業モデル、バリューチェーン、移行計画に組み込むよう促すことも、ブラケットなしで盛り込まれた28。一方、国によるセクター別の[移行]計画の策定や、有害なインセンティブの段階的廃止は、ブラケット付きである29。

議題14とは別に、IPBES関連の議題17(e)が、IPBESの「ビジネスと生物多様性評価」(企業の生物多様性への影響と依存の測り方などを検討した報告書で、政策決定者向け要約(SPM)と本体(各章)からなる)を扱う30。決定草案は、「すべての企業は生物多様性に依存し、影響を与えている」との認識を示し、企業・金融機関に、SPMを踏まえて影響・依存を測定・管理するよう強く促している。ただし、測定・管理に加えて「開示」まで求める文言、企業・金融機関の行動を「奨励または義務付ける」規制枠組み、開示・透明性の促進は、いずれもブラケット付きである31。

これらの多くは、各国がIPBESで承認した内容でもある。2026年2月のIPBES第12回総会では、SPMが各国政府による一文ずつの確認を経て承認(approve)され、本体はその確認を経ずに受理(accept)された32。SPMは総会直後に公表され、本体の最終版は7月に別途公表された。SPMは政府の選択肢として、規制枠組みによる企業行動の「奨励または義務付け」や、企業による開示の「奨励または義務付け」を挙げており、決定草案の規制枠組みの規定はこれとほぼ同じ文言である33。本体はさらに踏み込み、金融監督当局が生物多様性に関する移行計画を義務付けることまで論じている34。

それでも補助機関会合(SBSTTA第28回)では、SPMの記述を決定に書き込むことに異論が出たほか、本体は交渉を経ておらず、零細・インフォーマルな事業者の扱いなど途上国には当てはまりにくい部分もあるとして、SPMは「歓迎(welcome)」しつつ本体は「留意」にとどめるべきとの意見が複数出た35。決定草案でも、本体を「歓迎」するか、より弱い「感謝をもって留意(take note with appreciation)」とするかに加え、SPMの「歓迎」もブラケット付きで残る36。IPBESで科学的知見として承認したことと、CBDの決定として政策を後押しすることは別、という各国の線引きが表れている。

このように、企業が自然への依存・影響を評価・開示する責任という総論は、主流化の決定草案にブラケットなしで盛り込まれ、KM-GBFのターゲット15も大企業や金融機関による開示を各国が確保するよう求めている37。争点は、それを各国の制度でどこまで後押しするかという各論にある。CBD COPの決定が企業に直接の開示義務を課すことはないが、開示や義務付けに関わる文言がどこまで残るかは、各国が国内制度を検討する際の根拠になりうる。企業・金融機関にとって最も実務に近い論点である。

(4)DSI(議題11)

遺伝資源のデジタル配列情報(DSI)の利用から生じる利益の配分では、2024年のCBD COP16の決定に基づき、DSIを利用して利益を得る企業等からの拠出を受けるカリ基金が設けられた。ただし、CBD COP16からCBD COP17までの2年間にカリ基金が受け取った拠出は、2件・計6,000ドル(9月15日時点)にとどまる38。

CBD COP16決定は、総資産2,000万ドル、売上5,000万ドル、利益500万ドルのうち2つを超える企業に、利益の1%または売上の0.1%を「目安」として拠出を求めたうえで、企業規模の基準(閾値)と拠出率は「CBD COP17で定める」としていた39。これに対し決定草案は、拠出率を「目安」として再確認するにとどめ、閾値は国・地域によって異なると認めたうえで、各国で中小企業とされる事業体には拠出を期待しない(ただし奨励する)とした40。この拠出率の目安どおりに拠出した事業体にはカリ基金の証書が付与され、決定草案は各国に対し、証書を持つ事業体にはその年の追加の金銭的な利益配分を求めないよう促している41。証書が各国の制度上どのような効力を持つかや、「直接・間接の利用」の範囲・定義はCBD COP18に向けた検討課題とされた42。

製品・サービス単位で拠出額を算定する追加方式は、調査にとどめるか作業部会を設けるかで割れている43。補助機関会合では、ブラジルが追加方式の導入を支持し、EUは現行方式の試行・評価を先に求めた44。なお議題11は、会期前に意見書(書面ステートメント)を提出できる対象で、締切は10月18日20時(現地時間)である45。

中小企業の線引きが各国の分類に委ねられる分、対象業種の企業にとっては、事業を展開する国ごとの扱いの確認と、自社のDSI利用が「直接・間接の利用」に当たるかの見極めが当面の課題になる。

(5)気候変動との関係(議題18(a))

気候変動と生物多様性の決定草案(議題18(a))は、会期前の書面ステートメントの対象で、第一読会から議論される46。決定草案は、金融機関や国際開発金融機関、民間セクターにも、自然を活用した解決策(NbS)などにより、気候変動の緩和や適応、防災を通じて生物多様性の保全・回復・持続可能な利用への投資を拡大するよう呼びかけている47。一方、気候変動に関する国際海洋法裁判所(ITLOS)と国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見48への言及、KM-GBFの達成にはパリ協定と整合する緊急の気候行動が不可欠とする一文、生態系を活用した気候変動適応・防災(EbA/Eco-DRR)の任意ガイドラインの補足版の扱いは、ブラケット付きである49。この補足版については、決定草案の附属書として付された政策決定者向けの入門書全体がブラケットで囲まれている50。また、SBSTTA第27回の要請を受けて条約事務局は、リオ3条約(生物多様性・気候変動・砂漠化)の協力と政策の一貫性を高めるための短期・中期・長期の行動を整理したロードマップを、9月の進捗報告で示した。ただし決定草案は、ロードマップの作成を求めた同じ勧告に基づくため、ロードマップには触れていない。条約事務局は、COPが決定草案の審議に際してこのロードマップも考慮するよう提案している51。

先進的な企業・金融機関の間では、移行計画や開示など気候対応のために整えた枠組みに、自然を組み込む動きが進んでいる。気候と生物多様性の相乗効果が決定にどこまで書き込まれるかは、こうした取組みの後押しになる。保険会社にとっては、EbA/Eco-DRRのガイドラインが、防災・減災に自然を活かす取組みの参照点になりうる。

3.日本への含意

前記2で整理した論点は、資金を拠出する国としての日本、資金の流れを担う金融機関、利益配分を求められる事業会社のそれぞれに関わる。

第一に、資金負担の議論は日本に直接関わる。日本はGEF第9次増資の拠出国であり、拠出国の範囲拡大を求める側に立つ52。拡大が合意されれば、国際公的資金の負担構造が変わりうる。

第二に、金融機関にとっては、民間資金の動員と把握が論点になる。資源動員の決定草案は、全体がブラケット付きながら、金融機関等にも、生物多様性ファイナンスと気候ファイナンスの相乗効果を高め、資金の計上・報告の透明性を向上させるよう呼びかけている53。投融資の量だけでなく、生物多様性への貢献を示すデータの整備が問われる。条約事務局は、気候行動のための財務大臣連合(各国の財務省が参加する国際的な枠組み)と連携して同連合の加盟国の財務大臣をエレバンに招いており54、10月27日にはハイレベル・セグメントの一環として、アルメニア政府などによる財務大臣と環境大臣のハイレベル対話が予定されている55。気候変動の決定草案も同連合に、生物多様性との相互関係を作業に組み込むよう求めている56。

第三に、DSIの影響は医薬品などの業種で大きく、条約事務局が委託した研究の試算では、現実的な参加を想定すると医薬品企業だけで拠出の約5割を占める57。また、IPBES関連の決定草案は、企業とともに金融機関にも、遺伝資源の利用から生じる利益の公正な配分に向けた行動を強く促しており、その対象にDSIを含めるかはブラケット付きである58。金融機関も名宛人に含まれている点は留意しておきたい。

4.会期中の日程と交渉の流れ

会期前後を含む全体像は≪参考図表1≫、本稿の焦点に関わる主な日程は≪参考図表2≫のとおりである。

開幕前の16日には首脳級のリーダーズ・サミットが開かれ、「ネイチャーポジティブ・ファイナンス」を3本柱の一つに掲げる政治宣言「エレバン行動要請」(決定草案の「エレバン・パスウェイ」とは別文書)の採択が予定されている。2つの円卓会議の一方は、官民資金の動員と有害補助金の改革を扱う59。

前半(10月19日〜23日)は、作業部会とコンタクトグループで、議題ごとに文言の調整が進む。COP17の実質議題は31あり、2つの作業部会が分担する。このうち未解決の論点が多い20議題はコンタクトグループに回され、本稿の5つの焦点はいずれもこれに当たる60。議長団(ビューロー)が会議の進め方をまとめた文書(シナリオノート)では、コンタクトグループの暫定日程は前半分のみが示されており、焦点を扱うグループは、いずれも前半から会合が予定されている。コンタクトグループは英語のみ・非公開で、オブザーバーの傍聴は共同議長の裁量で一定数に限り認められる61。

後半の日程は進捗に応じて決まる62。23日夜の全体会合は各グループの進捗を確認する場で、合意済みの決定草案が先行して採択されることもある63。24日の休会と、25日・26日の関連イベント(ビジネスフォーラム、金融デー)を挟み、27日・28日のハイレベル・セグメントでは閣僚級の協議により、前半で決着しなかった対立点の調整が図られる64。29日は作業部会が合意文書案を確認し、決定は30日の閉会全体会合で採択される65。

なお、現地と日本の時差は5時間で、夜の会合(19時30分〜22時30分)は日本時間の翌日未明、閉会全体会合(10月30日)は日本時間の同日午後から夜にあたる。

5.おわりに

CBD COP17は、KM-GBFの採択から約4年を経て、その実施状況を初めて総点検し、2030年に向けて実施をどう加速するかを決める場となる。次のグローバルレビューは目標年の2030年に行われるため、今回は実質的に最初で最後の中間評価であり、2030年目標の達成に向けた正念場といえる。決定草案を読む限り、企業・金融機関に自然への依存・影響の評価や開示を促す方向性は各国に共有されつつあるが、それを義務付けや資金負担にどこまで結びつけるかは未決着である。会期中にどのブラケットが外れるかは、今後の各国の制度の行方を占う手がかりとなる。
 

 

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