ふるさと納税のポイント還元が2025年10月に廃止へ
2025年10月に、ふるさと納税のポイント還元が廃止される。これまで、ふるさと納税のポータルサイトを用いてふるさと納税を行った場合、事業者からのポイント付与が認められていたが、今回のルール改正によって、地方自治体の応援や貢献といった本来の趣旨に立ち返り、追加的な経済的利益の提供手段であるポイント還元が廃止されることになった。
制度変更によって考えられるのが、駆け込みの発生だ。これまで、ふるさと納税は12月に集中して行われることが多かった(図表1)1。1月から12月までに行ったふるさと納税が控除の対象となるため、12月に控除上限2までの金額をまとめて寄付するケースが多いものと考えられる。
しかし、2023年9月には同年12月と同程度の寄付金額になった。2023年10月からルール改正がなされ、返礼品の経費割合や地場産品基準が厳格化されたことで、納税者にとってのお得感が低下し、制度変更前にふるさと納税を行おうとする駆け込みが生じたものとみられる。お得感の低下という点においては、今回のポイント還元廃止と共通しており、今年9月にも同様の駆け込みの動きが生じるものと予想される。
ふるさと納税の金額は、返礼品の経費割合やポイント付与といったルール変更によって大きく左右されるものであり、このことはふるさと納税が地方自治体の応援や貢献といった本来の目的を逸脱していることの証左であると考えられる。高所得者ほど利用率が高く、大きな恩恵を受けられる点においても制度上の歪みがみられ(図表2)、こうした点を是正していくことが必要になるだろう。

- 寄付金の全てがふるさと納税に該当するわけではないが、ふるさと納税導入前の単月での寄付金額が平均242円で推移していたことを考慮すると、寄付金全体に占めるふるさと納税の割合はかなり大きいと考えられる。
- 収入や家族構成によって全額(2,000円を除く)控除可能なふるさと納税の金額が異なる。