マクロ経済・公共政策

若年層のテレビ購入数量は過去最低水準へ

上級研究員 小池 理人

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 若年層のテレビ離れが進んでいる。家計調査によると、2025年における29歳以下のテレビ購入数量は、比較可能な2000年以降で最低の水準にまで減少している(図表1)。テレビの購入数量減少自体は他の年代においてもみられる現象であるが、若年層における購入数量の水準は突出して低い。
 背景にあるのはテレビ視聴時間の少なさだ。総務省が公表する「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、テレビ視聴時間は若年層ほど少なく、高齢層ほど多いことが示されている(図表2)。
 家計調査における年齢階級は「29歳以下」で括られているが、テレビ視聴時間については10代と20代に分かれており、10代のテレビ利用時間が20代よりも更に少なくなっている。このことから、若年層のテレビ購入数量は今が底ではなく、更に減少することも想定される。
 もう一つ興味深いのは、若年層のテレビ離れはここ数年の間に生じたものではないということだ。テレビ購入数量を時系列でみると、2010年~2011年に地デジ化に伴うテレビの買い替え需要が急増した際にも、29歳以下のテレビ購入数量は他の年代と比較してほとんど増加しておらず、明らかに異なる動きとなっている(前掲図表1)。
 若者のテレビ離れは着実に進展しており、現在の若者達が30代、40代と年を重ねていったとしても、新たにテレビを購入・視聴するようになる可能性は低いだろう。10代のテレビ視聴時間が他の年代と比較して最少であることを考慮すると、今後、日本国内においてテレビ購入数量が増加していく展開は見込み難い。高齢層の買い替え需要も永続するものではないため、全体としてのテレビ購入数量は減少傾向で推移していく可能性が高いだろう。

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