マクロ経済・公共政策

自動販売機大国ニッポンは過去の姿に

上級研究員 小池 理人

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 自動販売機が減少している。本日、日本自動販売システム機械工業会より公表された「自動販売機普及台数」によると、2025年の自動販売機の普及台数は388万台となっており、10年前と比較して2割以上減少している(図表1)。自動販売機を巡っては、サッポロホールディングスが自動販売機事業から撤退し、ダイドーグループホールディングスや伊藤園が自動販売機にかかる減損損失を計上するなど、かつて自動販売機大国と呼ばれた日本に大きな変化が生じている。
 自動販売機が減少する理由としては、競合店舗の増加が挙げられる。コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストアは増加傾向で推移しており、消費者が飲料を入手できる場が増加している(図表2、図表3、図表4)。とりわけ、コンビニエンスストアが大きく増加した後の2017年には、自動販売機の普及台数が大きく水準を切り下げている(前掲図表1)。
 更に追い打ちをかけたのが、昨今の物価高だ。飲料も他の品目の例に漏れず、価格は上昇傾向で推移している(図表5)。消費者の節約が高まることで、比較的価格の高い自動販売機での飲料購入が手控えられ、安価に購入することが可能なスーパーマーケットやドラッグストアなどに客足が移っているものとみられる。
 世界有数の自動販売機大国であった日本だが、競合の増加や物価高騰といった様々な環境変化に伴い、自動販売機を巡る飲料メーカーの戦略も転換を余儀なくされている。自動販売機の減少が続く中で、飲料メーカーが既存の自動販売機をどのように取り扱い、自社製品をどのように販売していくのか、今後の動向が注目される。

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