居酒屋の苦境は今後も続くのか
居酒屋が苦境に立たされている。東京商工リサーチの調査によると、2026年上半期の居酒屋倒産件数は118件と過去最多を更新している。
第3次産業活動指数をみると、多くの飲食業がコロナ禍から立ち直る一方で、居酒屋・パブが依然としてコロナ前を大きく下回る水準で推移している(図表1)。物価高を背景とした家計の節約志向の高まりが、飲酒代の抑制に繋がっているものとみられる。実際、家計調査をみても、年収が上位2割の世帯を除いて飲酒代を大きく減らしていることが分かる(図表2)。
特に、小規模な事業者の状況は厳しいものと考えられる。法人企業統計では、居酒屋に絞った統計は示されていないものの、飲食サービス業は資本金の小さい事業者の売上高原価率が大きく上昇していることが示されている(図表3)。他の飲食業と比較して売上が戻っていない居酒屋に関しては、物価高による原価率の上昇はより深刻なものになっていることが推察される。
更に追い打ちをかけるのが、今後の実施が検討されている飲食料品の消費減税だ。アルコール飲料自体は消費減税の対象とならないが、つまみなどの税率が大きく引き下げられることで、少なくない数の顧客が家飲みに転換することが予想される。前述の通り、既に多くの世帯において飲酒代の節約がみられているが、消費減税を契機として、外飲みから家飲みへの転換が新たな節約の選択肢として挙がることは想像に難くない。今後、居酒屋の倒産件数は更に増加する可能性があり、2026年通年でみても過去最高を記録する展開も想定しておく必要があるだろう。