増えるジム、伸び悩む市場
~ジム「コンビニ化」の行方~
街中でフィットネスクラブを見かける機会が増えた。実際、国内フィットネスクラブの施設数は右肩上がりに増加しており、2019年から2025年までの間に4割ほど増加している(図表1)。ただし、その内訳には大きな変化が生じている。かつては全体の2割程度しか存在していなかった24時間ジムが、2025年には約7割にまで拡大している。
理由として考えられるのが、利用者の低価格・利便性志向と事業者の省力化ニーズの高まりだ。インストラクターが常駐し、プールや風呂などの大型設備を備えた総合型のジムは、昨今の人件費の高騰によって従業員を集めることが難しくなり、基本料金の高さから集客も困難になった。そうした中、安価に必要なトレーニングを行いたいというニーズを汲み取り、機能性に特化した24時間フィットネスクラブが台頭したものとみられる。ただし、施設数が右肩上がりに推移する中においても、売上高を物価変動の影響を除いて指数化した第3次産業活動指数は横ばいでの推移が続き、苦戦している状況が示唆される。
24時間営業である点、機能性を追求したビジネスモデルである点、急速に施設数が増えている点など、コンビニとの類似点は多く、フィットネスクラブのコンビニ化とも言える状況がみられている。コンビニが利便性の向上によって新たな需要を取り込み、生活インフラとして定着していったことを考えると、フィットネスクラブも同様に、低価格化や利便性の向上によってこれまでフィットネスクラブを利用してこなかった層を取り込み、市場を拡大できるかが、今後の市場拡大のカギとなるだろう。