マクロ経済・公共政策

固定電話通話料の値上げは、高齢者ほど重い負担に

上級研究員 小池 理人

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 NTT東日本から、固定電話通話料の値上げが発表された。2027年4月から約10%の料金引き上げになるとのことである。音声通信サービスの契約数を巡っては、携帯電話をはじめとした移動通信の増加と、固定通信の契約数の減少が続いており(図表1)、全体としての固定電話の存在感は低下しているが、年齢によってその利用頻度は異なっている。
 今回の固定電話通話料の料金引き上げは、主に高齢世帯に大きな影響を与えることが予想される。家計調査で年齢ごとの固定電話通信料をみると、年齢が上がるごとに固定電話通信料が増加している様子を確認することができ、70歳以上の固定通話通信料は29歳以下の約40倍と大きい(図表2)。若年層はそもそも固定電話自体を使用していないため、ほとんど影響が無い一方で、固定電話への支出額の大きい高齢世帯ほど、今回の値上げの影響を受けやすい構図となっている。
 今回の料金改定について、NTT東日本は、部材費や人件費などの高騰が続く中でサービスの安定的な質を維持するためとしているが、中長期的には利用者の減少そのものも、固定電話サービスを巡る大きな課題となるだろう。通信設備の維持・更新には一定のコストが必要となるため、利用者の減少が続けば、一人当たりの固定費の増加に繋がりやすい。料金が更に引き上げられれば、固定電話の利用者が一層減少するというスパイラルに陥ることも懸念される。固定電話の値上げは単なる物価高の問題に止まらず、利用者が減少する通信インフラを今後どのように維持していくかという課題も映し出していると言えるだろう。

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