【Vol.79】3.社会環境変化に伴う高齢者の生活環境へのインパクト~地域で暮らす高齢者の生活と都市機能の維持に向けた取組み~

主任研究員 岡島 正泰、主任研究員 新添 麻衣

I.はじめに

高齢化が進むなか、高齢者の福祉を充実していくために、まちづくり、公共交通・モビリティ、住まいの確保等に関わる、従来の社会保障・福祉の枠組みを超えた対応が模索されている。また、カーボンニュートラルの達成、SDGsの実現に向けた国際的な潮流が、高齢者を取り巻く社会環境および生活環境を変化させている。

II.高齢者を取り巻く社会環境の現状と課題

高齢化に伴い、過疎化・無居住地域、高齢・単身・借家暮らしの世帯が増加している。安心して入居できる借家の確保、地域の医療と介護・福祉との連携による地域包括ケアシステムの実現、コンパクトシティの推進等が、高齢者を取り巻く社会環境における課題となっている。

III.社会環境の変化

カーボンニュートラルの実現に向け、マイカーに依存し過ぎないライフスタイルへの転換が目指され、地域の公共交通網の意義が見直されている。高齢者福祉では、高齢者等からの相談を受け止めて解決する総合的な相談体制の整備や、高齢者等の入居を断らないセーフティネット住宅、居住支援法人による生活支援サービス導入、高齢者が受け入れやすいデジタルサービスを導入する動きが進んでいる。

IV.生活環境の改善に向けた自治体の取組み

SDGs、高齢者福祉の新たな取り組み、デジタル化の進展といった社会環境の変化が、地域の過疎化・無居住地化、高齢・単身・借家暮らし世帯の増加、地域の医療と介護・福祉連携やコンパクトシティ構築の行き詰まりといった課題ごとの縦割りの取組みでは対応が難しい社会課題を解決する方向に作用し始めている。これらの分野で先進的な取り組みを進める、富山市・見附市・福岡市の事例を確認する。

V.おわりに

社会課題への貢献を探る現代の民間企業には、行政サービスを補完しながら収益を追求し、地域で暮らす高齢者の自立を支援することが求められている。高齢者を取り巻く社会環境・生活環境の変化を報告する本レポートが、そのような取組みの参考になれば幸いである。

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