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お知らせ

 SOMPOインスティテュート・プラス株式会社(以下、当社)は、人的資本経営の実現に貢献するため、2019年度から生産性に関する研究会を発足させ、働き方、エンゲージメントを含めた従業員の意識、組織運営の状況などが組織の業績に与える影響の研究を行ってきました。このたび2023年5月10日から12日にかけて栃木県宇都宮市で開催された第96回「日本産業衛生学会」にて、従業員エンゲージメントと営業目標に関する分析について発表しました。
 先行研究から従業員のエンゲージメントが高いと業績や離職率などの点でプラスに働くと考えられています。一方で、エンゲージメントと業績は一定の関係が見られるものの、エンゲージメントが高いから業績がいいのか、業績がいいからエンゲージメントが高くなるのかは必ずしも明らかになっていません。本発表では、調査対象会社(非製造業)の営業店ごとの従業員エンゲージメントの平均値(eNPS:Employee Net Promoter Score)と営業目標達成の関係について分析し、eNPSが営業目標の達成に寄与する因果性を示すことができました。
 2016年度から2020年度の営業店ごとのeNPS平均値と営業目標の達成率についてパネルデータを作成し、両者の時系列の関係を変量効果モデルで分析したところ、当年度だけでなく前年度のeNPS平均が当年度の営業目標の達成率にプラスに作用しており、統計上も5%水準で有意な結果となりました。前年度のeNPSを説明変数とした場合も分析したことで、業績がいいからeNPSが高くなるという逆の因果性を一定排除し、eNPSの向上が営業目標の達成に寄与する可能性が高いことを明らかにできたと思われます。
 人的資本経営を進めていく課題の一つに「エンゲージメントの向上」があげられます。エンゲージメントの定義や計測方法などに相違はありますが、従業員エンゲージメントであるeNPSを高める人事施策や働き方は、企業の生産性向上の観点からも重要であると考えられます。当社は、今後も生産性に関する調査研究を進め、人的資本経営の実現に資する分析結果を公表して参ります。

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