日刊工業新聞(2025年9月23日付)「【ニュース拡大鏡】日産、安心感で差別化 次世代のAI運転支援技術公開」に新添上級研究員の取材コメントが掲載されました。
日刊工業新聞(2025年9月23日付)「【ニュース拡大鏡】日産、安心感で差別化 次世代のAI運転支援技術公開」に上級研究員:新添麻衣の取材コメントが掲載されました。
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日産「ProPILOT」の次世代版に関する記事です。色々と心配なニュースも多い日産ですが、英国のスタートアップWayveのテクノロジーを活用し、2027年に国内の市販車に次世代版を搭載する計画は、これまでのところ順調に進んでいます。
「自動運転レベル2」に相当する機能で、次世代版ProPILOTのように走行環境が複雑な市街地で利用できるものは、通称「レベル2+」「レベル2.9」、中国では「NOA」などと呼ばれています。レベル2+は、あくまでも人間のドライバーの責任で運転されるクルマですが、極めて高度な安全運転支援を行う機能が提供されます。自宅の駐車場から目的地まで、ほとんどハンドルを操作することなく到着できる未来がそこまで来ています。
日本国内では、テスラも「レベル2+」に相当するFSD(Supervised)の試験走行を開始しているほか、ホンダも2027年にレベル2+の市場投入を目指しています。マイカーをスマート化するレベル2+の開発争いは、特に中国で活況ですが、国内のマイカーでも次の競争軸になろうとしています。
レベル2+になっても、人間のドライバーの責任下でクルマは走っていますので、仮眠を取ったり飲酒をしたりといった行為は当然に禁止です。ドライバーは前後左右への注意を怠ってはなりません。
とはいえ、人間は、ついついシステムを過信してしまう生き物です。このことは、米国におけるテスラ車の事故からも分かる事実です。運転に対する注意力が散漫になったり、眠気を感じてしまったりすることが懸念されます。レベル2+の機能を使っていると、運転席のドライバーは、あたかも「自動運転機能」ように感じるかもしれませんが、あくまでも運転しているのはドライバー自身という扱いです。この点をCMなどの各種プロモーションや販売時に正しく伝えること、そして利用時にはドライバーの状態をモニタリングする機能の存在がレベル2+の安全な普及においては重要になっていきます。