日中関係に翻弄される2026年の春節旅行需要
正月休みも終わり、今日が仕事始めという人も多いかと思われるが、中国では旧正月である春節が最も重要な祝祭日とされている。2026年における春節の連休期間は2月15日から2月23日までの9日間となっており、平時であれば日本への観光客数の増加が見込まれる時期である。
しかし、今年に関しては中国人観光によるインバウンド消費の増加は期待できない。日中関係の悪化に伴い、中国政府による日本への渡航自粛要請が出されているからだ。過去を振り返ると、同様の動きが尖閣諸島国有化に伴い日中関係が悪化した2012年にもみられた。この時は、中国人観光客が元の水準に戻るまでに1年以上の時間を要している(図表1)。
今回の日中関係の悪化に伴う訪日中国人観光客の減少がどの程度長引くかは不透明だが、訪日外国人旅行消費額全体に占める中国人観光客による消費金額の割合は約2割と、全ての国・地域の中で最も高いため、その影響は大きい。景気ウォッチャー調査をみても、「インバウンドの主力である中国人観光客が減少することで、観光関連業界としてはかなり厳しい年末年始を迎えることになる」や「早くも中国からの団体客が取消しとなっている」といったコメントがみられている。
一方で、中国以外からの訪日客数は、コロナ前を大きく上回る伸びとなっている(図表2)。様々な国からの観光客のニーズを取り込むことによって、外国人観光客の分散化を図ることは、観光立国を目指す日本にとって重要な課題である。今回の危機を奇貨として、観光客の多様化を進めることが、収益の安定化や需要分散化の観点からも必要になるだろう。