2026年のバレンタイン商戦
~向かい風となる義理チョコ文化の衰退とカカオ価格の高騰~
来月14日はバレンタインデー。1年で最もチョコレートの販売が伸びる時期である。家計調査でチョコレート購入金額をみても、2月のチョコレート購入金額が他の月と比較して突出して大きいことが確認できる(図表1)。ただ、バレンタインデーにおけるチョコレートの購入金額については、二つの大きな下押し圧力が生じている。
一つは、義理チョコ文化の衰退だ。日別のチョコレート購入数量をみると、コロナ前と比較してバレンタイン前の購入数量の増加がほとんど無くなっている(図表2)。テレワークの普及を背景に出社機会が減少したことで、職場の義理チョコ文化が衰退し、チョコレート需要が減少したものとみられる。昨今のハラスメント意識の高まりもこうした動きに拍車をかけている可能性が高い。
もう一つは、チョコレート価格の高騰だ(図表3)。チョコレートの原材料であるカカオ価格の急上昇を背景に、チョコレート価格は大きく上昇している。カカオ価格の伸び自体は既にピークをつけてはいるものの、依然として高い水準で推移している。カカオ価格の上昇がチョコレート価格の上昇を凌駕していたことを考慮すると、過去に価格転嫁しきれなかったコストがまだ残っていることが想定され、カカオ価格がピークをつけたことで、ただちにチョコレート価格が低下する展開は考えにくい。
義理チョコ離れとカカオ価格の高騰はチョコレートの購入数量1に対する強い下押し圧力となっており、コロナ後とカカオ価格上昇後に明確な水準の切り下げ2が確認されることからも、バレンタイン商戦における強い向かい風となっていることが示されている(図表4)。
事業者は、チョコレートそのものを提供するだけでなく、チョコレート味の菓子といったカカオ価格高騰の影響を受けにくいよう商品ラインナップを広げるなど、販売上の工夫が求められる。
- 家計調査と消費者物価指数を用いて筆者が実質化した値。
- 2020年2月は1回目の緊急事態宣言前の時期であり、コロナによるチョコレート消費への影響は小さかったものとみられる。