マクロ経済・公共政策

2025年のキャッシュレス決済比率
~拡大の中でも進む淘汰~

上級研究員 小池 理人

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 昨日、経済産業省より2025年のキャッシュレス決済比率(国内指標)が58.0%であったことが発表された1(図表1)。昨年から5.2%ptとまとまった幅での拡大となっており、キャッシュレス決済の普及は、なお勢いを増している。
 内訳をみると、コード決済の伸びが目覚ましい。コード決済金額は前年比+22.6%と高い伸びを示しており、統計で遡ることが可能な2018年と比較すると実に100倍以上にまで増加している。一方で、各サービスのアカウント数の総計は初めて減少に転じており、乱立したコード決済サービスが徐々に集約されてきていることが示唆される(図表2)。クレジットカード決済金額も同+15.1%と二桁台での伸びが続いている。タッチ決済の普及が伸びを後押ししたものとみられる。
 一方、減少傾向での推移が続いているのが電子マネーだ。QRコードの台頭やクレジットカードのタッチ決済の普及等、他のキャッシュレス決済手段が拡大傾向にあるなかで、存在感が低下している。金額のみならず、件数についても58.0億件(2024年:60.1億件)と2億件以上減少しており、キャッシュレス決済全体が普及する中においても、電子マネーには衰退の動きがみられている。
 以上のように、キャッシュレス決済比率の上昇は続いているが、QRコードのアカウント数減少や電子マネー比率の低下にみられるように、キャッシュレスの普及があらゆる決済手段や運営会社の拡大に繋がっているわけではない。拡大を続けながらも淘汰は確実に進んでおり、消費者や事業者が採用する決済サービスが固定化される中で、乱立していたサービスが淘汰される動きは今後も続くことになるだろう。

  • キャッシュレス決済比率は「家計最終消費支出-持家の帰属家賃」を分母とした「国内指標」と、「民間最終消費支出」を分母とした「国際比較指標」の2種類が算出されている。

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