マクロ経済・公共政策
減少する魚介類消費
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生鮮魚介の価格が大きく上昇している(図表1)。通常、消費者物価指数を見る上では、振れの大きな生鮮食品は除いて考えられることが多いため注目されることが少ないが、実は食料価格全体よりも上昇ペースは早い。
そうした中、家計調査で消費数量を確認すると、生鮮肉に増加の動きがみられる一方で、生鮮魚介は大きく数量が減少している(図表2)。更に、2025年の生鮮魚介の消費数量と価格の2019年対比での伸び率をプロットすると、価格の上昇幅が大きい品目ほど消費数量が減少する傾向にあることが示されている1(図表3)。
また、足もとでは、中東情勢の悪化に伴い原油価格が大きく上昇している(図表4)。漁業に用いる燃料価格や輸送・養殖コストの押し上げによって、魚介類の価格は今後も上昇する可能性が高いだろう。
物価動向を巡っては、先月、日本銀行から消費者物価のコア指標が公表された。基調的物価動向を判断する上で有用な情報であるが、新たに公表が開始された3指標1は、いずれも振れの大きな生鮮食品は対象から外れている。確かに、生鮮食品価格は振れが大きく、基調的な物価把握には適さない。一方で、購入頻度の高い生鮮食品の価格上昇は家計による購入手控えに繋がり、想定以上に消費者マインドの悪化に繋がることも懸念される。個人消費への影響という面において、今後は生鮮食品の価格動向にも一層の注意を払う必要があるだろう。
- 家計調査と消費者物価指数に共通の項目がある品目が対象。
- 「除く生鮮食品、特殊要因」「除く生鮮食品・エネルギー、特殊要因」「除く食料・エネルギー、特殊要因」。