スーパーからドラッグストアへと移る消費者
~物価高で変化する購買の場~
消費者の食料への支出割合が、物価上昇前と比較して上昇している(図表1)。物価高の中で、娯楽や衣服などへの支出を切り詰めて、生活必需品への支出を余儀無くされているからだ。こうした消費行動を見る限り、物価高の中でも食料品の売上は安泰のようにみえるが、第3次産業活動指数をみると、スーパー1の活動指数は低下傾向での推移が続いている(図表2)。
景気ウォッチャー調査でスーパーのコメントをみると、「ガソリンの値上げが行われてから、急に客の買物金額が減っている。客の節約志向が強まっていることがうかがえる。」や「買物頻度が下がり、来客数が減少している。」など、消費者の節約志向の高まりによってスーパーに消費者離れが生じていることが示されている。
では、スーパーから離れた客はどこに行っているのか。同様に、景気ウォッチャーでコンビニのコメントをみると、「物価高が続くと客はコンビニより安価なドラッグストアやミニスーパーに行ってしまう。」と、行き先としてドラッグストアに触れるコメントがみられている。第3次産業活動指数でドラッグストアをみると、スーパーの動きとは対称的に、上昇傾向での推移を続ける姿が確認できる(図表3)。しかも、両者が対称的な動きとなるタイミングは2022年の物価上昇局面とほぼ同時であり、物価高がスーパーからドラッグストアへの顧客の移動を促している様子が示唆される。
ドラッグストアは利益率の高い薬品や化粧品を商品として有するため、食品をはじめとした日常品を目玉商品として打ち出しやすい。その結果、同一商品を価格で比較する場合、ドラッグストアに軍配が上がりやすく、スーパーの顧客をドラッグストアが奪う構図が続いているものとみられる。しかも、ドラッグストア全体に占める食品の割合は年々上昇しており、スーパーの取扱商品を侵食する動きが続いている(図表4)。
価格競争で勝負する限り、スーパーはドラッグストアと比較して不利であると言える。生鮮食品や総菜など、品揃えや利便性、店舗の独自性などを高めていくことで価格以外の訴求点を見出していくことが、スーパーの競争戦略上、必要になってくるだろう。
- 本稿では、第3次産業活動指数の「医療品・化粧品小売業」を「ドラッグストア」、「飲食料品小売業」を「スーパー」としている。