拡大するカプセルトイ市場
カプセルトイ市場が拡大している。日本カプセルトイ協会が公表する「カプセルトイ市場動向調査」1によると、カプセルトイの市場規模は2025年度で約1,960億円となっており、統計の公表が開始された2022年度の3倍弱と短期間のうちに大きな成長を遂げている(図表1)。
玩具を巡っては、昨今の物価高を背景とした節約志向の高まりによって二極化が生じている。家計調査で世帯年収別に玩具の購入金額を確認すると、物価上昇前の2019年と比較して、低所得世帯ほど玩具の購入が減少している様子が浮かび上がる(図表2)。高所得世帯は物価上昇の中でも玩具を購入する余力がある一方で、低所得世帯は生活必需品への支払で手一杯で玩具の購入を抑制せざるを得ない状況であることが推察される。
こうした中、他の玩具と比較してカプセルトイの単価が圧倒的に低いことは、大きな優位性であると考えられる。かつてのような100円の商品の割合こそ少ないが、物価高の現在でもなお、1つのカプセルトイを数百円で購入することが可能である(図表3)。消費者が一度に使う金額をみても、消費者の多くがカプセルトイを連続購入した際の最大購入金額を1,000円未満にとどめており(図表4)2、商品の魅力もさることながら、少ない金額で楽しめることが節約志向にも合致しているものとみられる。
今後についても、カプセルトイ市場は拡大傾向が続くことが見込まれる。物価高による節約志向が今後も継続することが見込まれ、カプセルトイの他玩具と比較した優位性は高まることが予想される。商品性の多様化も押し上げ要因の一つだ。かつてのように100円の商品が中心であった時代にはサイズや品質の幅を広げることに限界があったが、500円の商品が増えたことなどから、大型のカプセルもみられるようになってきており、商品の幅に広がりが生じてきている。新たな需要を掘り起こす余地は大きく、市場規模の拡大は続く可能性が高いだろう。
- 同協会がヒアリング調査をもとに、商品出荷ベースでの業界全体の市場規模を集計・算出したもの。
- 株式会社クロス・マーケティング「カプセルトイに関する調査」。20代~60代の各220サンプル(計1100サンプル)を対象としたインターネットリサーチ。