マクロ経済・公共政策

2027年問題によるエアコン需要が顕在化

上級研究員 小池 理人

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 今夏は、現行の省エネ基準に基づくエアコンを選びやすい最後の夏となる可能性が高い。2027年4月から家庭用エアコンの省エネ基準が引き上げられるため、メーカーは新基準への対応を進めており、今後、旧基準エアコンは生産が終了し、市場では在庫限りとなることが見込まれる。そのため、来夏には比較的安価な旧基準エアコンを選べる機会が大きく減少する可能性がある。
 ナウキャスト株式会社のJCB消費NOWを用いて、機械器具小売業からの購入金額を確認すると、5月後半に顕著な増加が示されている。これは、コロナ禍における給付金特需以来約5年ぶりの伸びであり、この牽引役となっているのがエアコンと推測される。
 5月の景気ウォッチャー調査の現状判断のコメントをみても、「省エネ達成率100%以上でなければ製造できなくなるため、現行品への駆け込み需要が発生しており、エアコンは前年比で170%となっている」や「エアコンの新たな省エネ基準に関する報道が増加し、販売額が200%を上回って推移している」など、家電量販店からは駆け込み需要によって販売額が大きく増加している声が伝わってくる。
 同調査の先行き判断のコメントでも、「エアコンの新たな省エネ基準の導入を背景に、駆け込み需要による前倒しの販売増加が見込まれる」や「引き続きエアコンが売り上げをけん引する」など、先行きのエアコンの売れ行きに関してもポジティブな声が多数みられており、一段と販売が伸びることも期待される。今年の夏も昨年に引き続き猛暑となることが予想されており、想定以上の売り上げを記録する可能性もあるだろう。
 5月の消費統計が公表されるのは商業動態統計では6月29日、家計調査では7月7日と、消費動向の把握までに時間を要する。オルタナティブデータを活用することは、エアコンの2027年問題のような特殊要因を定量的に把握する上でも有用であると言える。

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