マクロ経済・公共政策

2026年に夏野菜は安く買えるのか

上級研究員 小池 理人

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 今年も夏野菜の消費量が増える季節がやってきた。家計調査で夏野菜の消費数量をみると、夏季における夏野菜の消費数量は多い傾向にある(図表1)。
 理由としては、夏季における夏野菜の価格低下が挙げられる。旬の野菜は生産量が多く、加温や人工照明などの人工的な設備に頼るためのコストが低いため、時季外れのものと比較して、安価に供給されることが多い。実際、消費者物価指数を用いてトマト、なす、きゅうり、ピーマン、さやいんげんといった夏野菜の価格を確認すると、夏季での価格が他の時期と比較して低い傾向にあることが示されている(図表2)。加えて、一般に、太陽の光を多く浴びて栽培された夏野菜は、糖度や旨味成分が凝縮し、他の季節に栽培されたものよりも栄養価が高い傾向にあるとされることも、夏野菜の消費を押し上げる要因になっているものとみられる。
 注意すべきは、安価というのは他の季節との比較であり、例年の夏と比較して安価であることを意味しない点だ。7月の夏野菜価格の毎年の推移を確認すると、2021年頃までは価格は上下しながら推移していたが、2022年以降はピーマン以外の夏野菜において1、ほぼ一貫して右肩上がりで推移していることが示されている(図表3)。生鮮野菜は天候条件等を背景とした豊作・不作によって価格が上下しやすく、2021年までのように振れを伴いながら推移することが自然であるとも言えるが、2022年以降は物価高を背景に肥料や配送費、人件費などが増加傾向で推移していることから、価格転嫁による影響が生育状況による豊作・不作の影響を上回ったものと考えられる。
 中東情勢は米国とイランとの交渉進展によって収束に向かっているが、これまでに生じたエネルギー価格の上昇や供給制約の影響が消費者物価に波及するのはこれからであり、2026年の夏野菜価格を押し上げる要因となるだろう。夏野菜は安価であるという常識は崩れやすく、家計にとっては夏野菜の割高感を感じやすい夏となることが予想される。

  • 夏野菜の中でも、ピーマンの生育適温は低く、水不足にも弱い。2023年はピーマンの主要産地が干ばつと猛暑に見舞われたことで価格が特に大きく上昇し、2024年は前年比で価格が低下している。

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