テレビ離れでも減らないテレビ需要
若者のテレビ離れが叫ばれて久しいが、テレビ離れは若年層のみならず、高齢者にも及んでいる。NHK放送文化研究所が公表する国民生活時間調査によると、平日にリアルタイムで15分以上テレビを視聴する人の割合は70歳以上を含む全世代で低下している(図表1)。逆に、同調査において、インターネット動画の視聴割合は全ての年代で上昇していることが示されており、テレビの視聴時間がインターネット動画に奪われている様子が示唆される(図表2)。
こうした中においても、ハードとしてのテレビは購入され続けている。家計調査をみると、テレビの購入数量は、20年前と比較すると水準が切り下がっているものの、テレビ離れが進む中においても、10年前と同程度の水準を維持している1(図表3)。テレビ放送自体は観られなくなっているものの、動画配信サービスを大画面で視聴したいというニーズがテレビ需要を支えているものと考えられる。NHK放送受信料の世代別の支払金額をみても、全ての世代において、支払金額の減少がみられており、こうした用途におけるチューナーレステレビの普及が示唆される2(図表4)。
ただ、年代別にテレビの購入数量をみると、多くの世代が横ばい程度で推移する中で、29歳以下の世帯については、過去最低の購入数量となっている(図表5)。若年層においては、もはやハードとしてのテレビすらも必要と無くなっており、タブレットやPC画面に代替されている可能性がある。そうであるならば、今後はハードとしてのテレビ需要にも減少の動きが生じうることも想定しておく必要があるだろう。
- 2010年頃の大幅な増加は地デジ化によるもの。
- 2023年10月からNHK受信料は1割程度の値下げがあったため、この部分を考慮すると、70代以上を除き、チューナーレステレビの利用等による受信料の減少が生じた可能性があると考えられる。