猛暑で高まる日傘需要
猛暑日が続く中で、街中で日傘をさしている人を見かけることが増えた。公的統計において、ピンポイントで日傘の需要や価格を示すものは筆者の知る限り存在しないが、家計調査をみると、傘の購入単価に顕著な上昇傾向での推移がみられている(図表1)。こうした傘単価の上昇要因として、日傘の普及が大きく影響している可能性がある。
もちろん、中東情勢の影響によって、傘を構成するプラスチック製品の価格が上昇したことで、傘価格にコストプッシュ圧力が生じていることは間違いないだろう。ただ、消費者物価指数で示される2025年の男性用長傘の価格上昇率が物価上昇前の2019年対比で+13.9%であるのに対し、家計調査における価格上昇率は同+50.4%と圧倒的に高い(図表2)。日傘において利用されるUVカットや遮熱加工などの高機能素材が、単価を押し上げる要因となっているものとみられる。
年齢別の価格上昇率をみると、若年層ほど傘の購入単価が高い傾向にあり(図表3)、このことも日傘の普及と整合的である。クロス・マーケティング社の調査1によると、日傘の利用率は若年層ほど高い傾向にあり、20代では58.6%となっている。同調査によると、男性の日傘利用率も25.1%となっており、男性は主に暑さ対策として、女性は主に紫外線対策として日傘を利用していることが示されている。
猛暑日が続く中、熱中症による救急搬送件数は増加傾向での推移が続いており(図表4)、暑さ対策の重要性はこれまで以上に増している。これまで美容面で利用されることの多かった日傘だが、健康管理を行う上での暑さ対策としても、日傘の需要が広く拡大してきている。
- https://www.cross-m.co.jp/report/trend-eye/20250521umbrella