マクロ経済・公共政策

15年ぶりの協調介入で円安の流れは変わるのか

上級研究員 小池 理人

【内容に関するご照会先:ページ下部の「お問い合わせ」または執筆者(TEL:050-5235-2014)までご連絡ください】

 
 15年ぶりの協調介入が実施され、ドル円レートは大きく円高方向に振れている。円相場を対象とした主要な国際協調介入は過去3回行われており、今回で4度目となる(図表1~4)。過去に行われた協調介入は、いずれも為替相場の大きな転換局面と重なっている。今回の協調介入も、過去に実施された協調介入と同様に転機となり得るのだろうか。
 筆者は、今回の協調介入によって相場の流れが変わり、円高方向での推移が続く可能性は低いとみている。過去に為替の流れが変わった際には、協調介入のみならず、政策転換や経済環境の変化を伴っていたからだ(図表5)。今回、協調介入によって一度は円高に振れているが、ファンダメンタルズに変化を生じさせるような出来事は生じておらず、日米の金利差や日本の貿易・デジタル赤字などの状況も大きくは変わっていない。そうであるならば、介入によって生じた円高は時間の経過と共に元の水準へ戻っていく可能性が高いだろう。
 今後、大きな転換期を迎えることがあるとすれば、筆者は1995年と逆の展開、すなわち、米国景気の後退と米国の利下げであると考えている。AI・半導体関連を中心とした株高には過熱感がみられており、大きな調整が生じることがあれば、米国の景気後退と利下げによって、為替は円高方向に推移することが予想される。ただし、それは望ましいものではなく、景気悪化を更に促進するものであり、円安の是正という望ましいものではなくなっている可能性が高いだろう。

この記事に関するお問い合わせ

お問い合わせ
TOPへ戻る