大企業正社員の5人に1人以上が年収1000万円超に
本日、国税庁から民間給与実態統計調査が公表された。平均給与は487万円と増加傾向での推移が続いている(図表1)。人手不足等を背景とした賃上げの継続によって、額面上の金額は増加傾向での推移が続いている。
そうした中、特に注目されるのが年収1,000万円超の給与所得者の増加だ。1,000万円超の給与所得者の数は2025年に340万人となっており、前年から約19万人増加している(図表2)。資本金10億円以上の株式会社に所属する正社員に限ると、20.6%と、実に5人に1人以上が年間給与1,000万円超となっている。1,000万円を超える給与所得者の人数は確実に増加しており、かつてと比較すれば、必ずしも珍しい存在ではなくなってきている。
また、インフレの影響によって、1,000万円の価値も変化している。帰属家賃を除く総合指数を用いて、1,000万円の実質値を算出すると、2025年の1,000万円の価値は、10年前と比較して15%程度減価している。とりわけ、近年の物価上昇によって実質的な価値の目減り幅は大きい(図表3)。
一方で、所得税の累進課税におけるインフレ調整はほとんど進んでいない。物価上昇によって実質的な購買力が減少しても、名目金額で累進課税がなされるため、所得税負担が増加することになる。基礎控除などの見直しは一部進められているものの、所得税の累進税率が適用される所得区分については、物価上昇に連動した調整は行われていない。インフレによる影響によって過度な税負担に繋がることがないよう、適切なインフレ調整を行っていくことが必要になるだろう。