マクロ経済・公共政策

ワイン離れか、ボージョレ・ヌーボー離れか

上級研究員 小池 理人

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 ボージョレ・ヌーボーの解禁が迫っているが、かつてほどの盛り上がりは感じられない。消費者としてブームの沈静化を感じるだけでなく、メルシャンが2025年にボージョレ・ヌーボーの輸入販売から撤退するなど、企業側でも事業を縮小する動きがみられている。
 ボージョレ・ヌーボーのピークは2004年であり、当時は実に104万ケースが輸入されていた。ただ、この時期におけるワイン消費の様子を家計調査で確認すると、金額・数量共に直近と比較してはっきりと少ない水準であることが示されている(図表1)。つまり、全体としてのワイン消費は現在の方が盛り上がっており、原因は、あくまでもボージョレ・ヌーボー自体の人気が低下したことにあると考えられる。
 ボージョレ・ヌーボー人気の衰退は、同じく家計調査で日別のワイン消費金額を確認することで浮かび上がってくる。「ボージョレ・ヌーボー解禁日のワイン消費金額/解禁月である11月平均でのワイン消費金額」をボージョレ・ヌーボー比率とし、この値を時系列で並べると、人気のピークである2004年をピークに、低下傾向で推移していることが示されている(図表2)。
 ボージョレ・ヌーボー人気の衰退は、必ずしも日本国内におけるワイン消費の衰退を意味しない。むしろ、ワイン市場が拡大する中で、消費者の選択肢が広がり、ボージョレ・ヌーボーという特定商品に人気が集中する局面から、それぞれの好みに応じたワイン消費が行われる局面へと変化している可能性がある。このことは、日本のワイン市場が成熟してきたことの証左であるとも捉えられ、今後は多様化する消費者のニーズに応えた商品展開の重要性が一層増すことになるだろう。

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