人口減少が進む一方で存在感増す巨大都市
~2025年国勢調査基本集計結果に見る日本人口の特徴~
1.日本の人口減少は加速
総務省統計局から2026年9月29日に発表された「国勢調査基本集計結果」は5年に一度の国勢調査の確定値の第一弾となる。
今回の「国勢調査基本集計結果」に見る日本人口の特徴として、以下の3つをあげることができる。
・大都市も含めて日本各地で人口減少に加速がついていること
・各地の地域経済の中心都市への人口集中が進んでいること
・外国人が急増していること
日本全体の人口は1億2297万人で、2015~2020年は▲95万人、▲0.7%減少であったが、今回の2020~2025年は▲310万人、▲2.5%と、人口減少がかなり加速している。317万人といえば、市町村では日本で二番目の大きな人口を抱える大阪市(2025年281万人)を超える水準となる。国勢調査の度に大阪市のような巨大都市一つが無くなるほどの大きなインパクトといえる。
2.東京都以外の道府県は全て人口減少
都道府県の人口増加率を見ると(図表1)、前回2015~2020年にかけて増加していた8つの都県のうち、今回2020~2025年も増加したのは東京都だけである。東京圏の埼玉県、千葉県、神奈川県、名古屋圏の中心都市を抱える愛知県、大阪圏の巨大ベッドタウンである滋賀県、九州随一の中心都市を抱える福岡県、都道府県で最も出生率が高い沖縄県の7つで、人口増加から人口減少に転じた。
しかも、唯一増加した東京都も安泰ではない。今回2020~2025年の人口増加率は前回2015~2020年に比べて大幅に減少しているからだ。次回2025~2030年では、東京都も人口減少に転じて、全ての都道府県で人口減少となる可能性が高い。
【図表1】都道府県別人口増加率

(出典)総務省統計局「国勢調査報告」(2025年)より、SOMPOインスティチュート・プラス作成
3.大都市でも人口減少も人口集中度は高まる
20の政令指定都市と東京都特別区部(23区計)の21の大都市を見ると、前回2015~2020年は21のうち8市で人口が減少したが、今回2020~2025年は過半数を超える14市で減少した。今回新たに人口減少に転じたのは、札幌市、仙台市、横浜市、相模原市、岡山市、広島市の6市で、特に市町村で最大の人口を抱える横浜市と市町村で第4位の人口である札幌市の人口減少が注目される。
また、前回2015~2020年に続いて今回2020~2025年も増加した7つも、先行きは楽観できない。特に、さいたま市、川崎市、名古屋市で次回2025~2030年は人口減少に転じる可能性がある。
このように、大都市であっても人口減少が進んでいるが、一方で大都市の存在感が高まっていることも事実である。この点について、今回2020~2025年に人口減少に転じた札幌市を例に見ると、北海道における札幌市の人口割合(人口集中度)は着実に増加している(図表3)。札幌市は人口が減少しても、北海道の他の都市より緩慢なためだ。参考までに、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の一都三県で構成される東京圏の人口が全国の人口に占める割合は、東京一極集中がこれだけ世間で騒がれながら、バブルの頃からわずかに増加したにすぎない。北海道における札幌への一極集中は、日本における東京一極集中より大きく進展しているといえる。
【図表2】政令指定都市と特別区部(東京都23区計)の人口増加率

(出典)総務省統計局「国勢調査報告」(2025年)より、SOMPOインスティチュート・プラス作成
【図表3】北海道における札幌市の人口割合と全国における東京圏の人口割合

(出典)総務省統計局「国勢調査報告」(2025年)より、SOMPOインスティチュート・プラス作成
4.外国人の大幅増加は日本全体の人口減少を大幅に緩和
最後に、日本人と外国人に分けて見ると、日本人人口は1億1913 万で、2020 ~2025年に▲427万人、▲3.5%となっている。一方、外国人人口は過去最高の384 万人で、2020~2025年に+109 万人、+39.8%の大幅増加となっている。コロナ禍の入国制限が緩和された2023年~2025年のわずか3年間に驚異的な規模の増加といえる。2023~2025年のペースが今後も続くのであれば、国勢調査の度に福岡市(2025年166万人)と同水準の外国人の増加が見込まれる。
このような状況から、今回の国勢調査の結果を踏まえて国立社会保障・人口問題研究所から今後公表される将来推計人口は注目される。今後の出生率の想定次第では、外国人の大幅増加の影響により、前回の2023年推計を上回って日本全体の人口が推移する、という結果になる可能性があろう。