Q1.エンゲージメントはどのようにして高まるのか?

 
Q. エンゲージメントはどのようにして高まるのか?
A. 職場環境や、仕事の内容が自分にあっているといった個人の適性、仕事の負荷が影響しながら高まっていく

 
 

 
従業員アンケートやストレスチェック(職業性ストレス簡易調査票)の集団分析データから、「JD-Rモデル」に基づいて、対象企業の営業拠点を対象にエンゲージメントや心理的ストレス反応に影響する要素についてパス図を用いて可視化しました(図1-1)。パス図とは、多変量解析の手法である共分散構造分析を利用して、エンゲージメントや仕事の資源などの構成要素間の関係性や影響力を矢印を用いて表現した図を指します。影響力は構成要素間の関係性の強弱をもとに算出されます。

 
対象企業の従業員アンケートから、「仕事の資源」のうち<新たな働き方><信頼・公平性>、および、<エンゲー ジメント>に該当する構成要素を抽出しています。ストレスチェックから、「仕事の資源」のうち<周囲のサポート>、「個人の資源」のうち<仕事の適性>、「仕事の要求度」のうち<仕事の負荷>、および、<心理的ストレス反応>に該当する構成要素を抽出しています (表1-1)。
※本レポートにおいて、パス図を用いた分析は対象企業の営業拠点を対象に行っている。

<エンゲージメント>、<心理的ストレス反応>、それらから生じるアウトカムである<プレゼンティーズム>や<売上/ 営業成績>に関して、
図1-1からそれぞれ以下のことが分かります。

① エンゲージメント:仕事の資源や個人の資源はエンゲージメントを強める。(矢印①-1、①-2)
② 心理的ストレス反応:仕事の要求度は心理的ストレス反応を強め、個人の資源は心理的ストレス反応をやわらげる。 (矢印 ②-1、②-2)
③ プレゼンティーズム:エンゲージメントはプレゼンティーズムを向上させ、心理的ストレス反応はプレゼンティーズムを低下させる。
 (矢印③-1、③-2)
④ 売上/営業成績:エンゲージメントは売上/営業成績を向上させる。(矢印④-1)
 
このように、「JD-Rモデル」に基づ いてパス図を描くことで、エンゲージメントや心理的ストレス反応を構造的に捉えることができます。また、仕事の資源、個人の資源、仕事の要求度がそれぞれエンゲージメントや心理的ストレス反応に与える影響力を比較することができます。

 
●業務効率の改善や付加価値の高い業務へのシフトなどの<新たな
 働き方>は<仕事の適性>を向上させます。
●信頼や公平な活躍の機会などの職場環境を表す<信頼・公平性>
 は上司や同僚からの支援を表す<周囲のサポート>や<エンゲージ
 メント>を高めます。
●<周囲のサポート>は<仕事の適性>を向上させ、<仕事の負荷>
 をやわらげます。
 

 
● 仕事内容が自分にあっていると思っていることや働きがいを表す
 <仕事の適性>は<エンゲージメント>を高め、<心理的ストレス反応
 >をやわらげます。
 
 

 
● 心理的な仕事の負担の量や質を表す<仕事の負荷>は<心理的
 ストレス反応>を悪化させます。

 
●<エンゲージメント>が高まると、<プレゼンティーズム>や<売上/
 営業成績>は向上します。
●<心理的ストレス反応>が高まると<プレゼンティーズム>は悪化し
 ます。

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