マクロ経済・公共政策

「水」にも及ぶ節約の波

上級研究員 小池 理人

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 ミネラルウォーターの消費量が減少している。日本ミネラルウォーター協会が今月公表した「ミネラルウォーターの一人当たり消費量の推移」によると、これまで増加傾向での推移が続いてきたミネラルウォーターの一人当たり消費量は2025年に前年から1.2リットルとまとまった量での減少がみられている(図表1)。なお、同統計ではっきりとした減少が確認できるのは、今回以外では震災による大量購入の反動が生じた2012年のみであり、この時でさえも0.2リットルという小幅減少にとどまっていた。
 ミネラルウォーターの消費量が減少した理由としては、物価高を背景とした節約志向の高まりが挙げられる。2022年以降、ミネラルウォーターの価格が大きく上昇する一方で、公共料金である水道料金の上昇ペースは比較的緩やかであり、ミネラルウォーターの割高感は高まっている(図表2)。
 所得階級別に2019年との消費量の変化をみると、所得が低い世帯においてミネラルウォーター消費を抑制していることが示されている(図表3)。とりわけ、最も所得の低い世帯における減少幅は顕著である。
 今後は、中東情勢を背景とした輸送コストやプラスチック価格の高騰によって、ミネラルウォーターの価格が大きく引き上げられることも想定される。そうなれば、比較的所得の低い世帯だけでなく、中・高所得世帯にまでミネラルウォーター消費を抑制する動きが広がる可能性も否定できない。生活必需品としての要素と嗜好品としての要素を併せ持つミネラルウォーターの消費動向は、消費者心理を映し出す一つの鏡であるとも考えられ、今後の家計の節約志向やマインドを占う上でも注目される。

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